What’s Next for Sustainability:持続可能な社会の実現に向けたマイクロソフトの取り組み (2022/4/5、ニュースリリース)

※日本マイクロソフトからブログ更新のお知らせがニュースリリースで来ました!

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What’s Next for Sustainability:持続可能な社会の実現に向けたマイクロソフトの取り組み
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日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ事業本部 業務執行役員 金融イノベーション本部長 藤井 達人

年々複雑化、深刻化する環境問題に企業として取り組むことは、重要な社会的責任のひとつです。
マイクロソフトは、「ソフトウェアと技術革新の力を活用して、世界中で個人や企業の環境保護活動を支援する」ことを使命に、環境問題に取り組んでいます。

当社は、2030年までにカーボンネガティブを実現し、2050年までに1975年の創業以来排出した全炭素量に相当する量を環境から取り除くこと< https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/01/21/200121-microsoft-will-be-carbon-negative-by-2030/ >を目標としています。
このカーボンネガティブを含めて、当社が幅広く展開しているサステナビリティに関する取り組みについて、具体的な施策や事例を交えて紹介します。

当社のサステナビリティに関する取り組みは、マイクロソフトの研究開発機関であるMicrosoft Research < https://www.microsoft.com/en-us/research/ >にて「環境」や
「コンピューティング」の研究を専門にしていたルーカス ジョッパ(Lucus Joppa)< https://www.microsoft.com/en-us/research/people/lujoppa/ >です。
彼は、2018年からChief Environmental Officerに就任し、科学的な見地に基づいて、マイクロソフトの現状の分析とコミットメントを達成するために必要な功利的な手段に基づく施策の指揮をしています。

マイクロソフトは、現在、以下の4つのカテゴリーに分けて、サステナビリティに関するコミットメントを公表しています。

●カーボン:2020年代の半ばまでにスコープ1およびスコープ2の排出をほぼゼロに削減、2030年までにスコープ3の排出を半減、カーボンネガティブ< https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/01/17/200117-microsoft-announces-carbon-negative-by-2030/ >の達成を掲げています。
さらに2050年までに創業来までに排出したCO2よりも多くのCO2を削減します。

●廃棄物:2030年までに廃棄物ゼロの達成を目指し、Azureの データセンターにCircular Centerを設け、サーバー、コンポーネントや資材を再利用、修理、リサイクルしていきます。

●水:2030年までに当社の事業で消費する量を上回るきれいな水を創出する、ウォーターポジティブ< https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/10/15/201015-microsoft-will-replenish-more-water-than-it-consumes-by-2030/ >の達成を掲げています。
データセンターの冷却用の水の浪費を削減、マイクロソフトのキャンパスにおける水の使用量削減及び再生水の利用を促し、
敷地内にきれいな水を作り出す施設を作ります。

●生態系:2025年までに当社がビジネス使用しているオフィスやデータセンターの面積を上回る広さの土地を保護していきます。またAI for Earth< https://www.microsoft.com/ja-jp/ai/ai-for-earth >プログラムの展開、Planetary Computer< https://planetarycomputer.microsoft.com/ >を構築・配備・加速します。

前述の生態系の中で触れたAI for Earthは、2017年に発表した、
地球環境の問題解決に取り組むプロジェクトに対して助成金(主にクラウドサービスの利用権)及びテクノロジの支援を提供するプログラムです。農業、水、生物多様性、気候変動の4つの領域に注力し、応募資格は、学術機関、NPO、政府機関、環境関連のスタートアップ、企業内の革新的なプロジェクトに所属している方です。

加えて当社は、Planetary Computerという地球環境を維持・改善していくために必要とされるクラウドツールを開発するための基盤を提供しています。
リモートセンシングデータ、気象・気候データ、土地被覆データなどの様々な衛星画像等を含むデータにアクセスができ、そのデータを活用してアプリケーションを開発し、ホスティングするための環境を提供する、地球改善に向けた新たなクラウドサービスです。
まだプレビュー版ですが、既に様々なアプリケーションが世界中で作られています。

■2021年サステナビリティレポート

これらの取り組み関する進捗状況は、毎年サステナビリティレポート< https://www.microsoft.com/en-US/corporate-responsibility/sustainability?activetab=pivot_1:primaryr3 >として公表しています。
2021年のレポートでは「カーボン」においては、2021年度と2022年度に250万トンのCO2除去に成功し、2年間の累積目標を達成したことを報告しました。「廃棄物」においては、循環センター(Circular Center)を5か所計画、アムステルダムがオープンし、
現在バージニア州ボイドンに建設中で、2022年内に3か所追加する予定です。
「水」においては、2021年度は130万立方メートル以上の容積効果が期待できる水補充プロジェクトに投資しました。「生態系」においては、2021年度に1万7000エーカー以上の土地を保護する契約を結びました。

また、Climate Innovation Fund< https://www.microsoft.com/en-us/corporate-responsibility/sustainability/climate-innovation-fund?activetab=pivot1:primaryr6 >(気候イノベーション基金)において、脱炭素を中心としたプロジェクトや企業に投資をする
ファンドを設立し、4億7100万ドルを割り当てました。実際に、持続可能な航空燃料を作るプロジェクト開発や空気中から二酸化炭素を補足して地中に埋めていくプロジェクトなど、炭素を除去していくのに効果が見込めるプロジェクトに投資していきます。

そして、当社はつい先日、Carbon Call< https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/02/14/220214-leading-organizations-form-the-carbon-call-to-address-reliability-and-interoperability-in-carbon-accounting-for-the-planet/ >という、団体への参加を表明しました。同団体は、ネットゼロの未来を目指し、科学組織や企業、慈善団体、政府間組織による集団での活動と投資、リソースを集結させ、信頼性が高く最新状態のデータやテクノロジにアクセスできるようにし、それらのデータが複数の炭素計測システム間で容易に交換できるよう取り組んでいます。

その他、本社キャンパスの建て替え時にMicrosoft Azure IoT、AnalyticsAI を活用し、可能な限り環境に負担がかからない建築を実現しました。テクノロジを活用した運営方法やエネルギーの調達などプロジェクトで得た知見は、ホワイトペーパーで公開しています。
また、お客様になるべくリモートワークをしてもらうことで、移動を減らし、CO2の排出やエネルギーの使用量を減らすと同時にワークライフバランスを改善してもらう提案は引き続き行っていきます。
更に社内の事業部ごとに売り上げ規模に応じて、一定額をプールする、内部炭素課金モデルの運用を開始しました。
なかなか把握するのが困難と言われている、スコープ3のサプライヤーの炭素排出量や吸収量に関しては、透明性の向上を目的にサプライヤーに向けてテクノロジの支援をしています。
一般の方にも使っていただける製品としては、Ocean Plasticマウス< https://news.microsoft.com/ja-jp/features/211102-ocean-plastic-mouse/ >を提供しています。
テクノロジ製品としては初めて海洋プラスチックを素材に利用し、マウスの外装には重量比で20%分の再生海洋プラスチック含有を達成しました。これは、約470mlのペットボトルの半分ほどの量に相当します。

■Microsoft Cloud for Sustainability

2022年上半期にはMicrosoft Cloud for Sustainability< https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/07/15/210715-microsoft-cloud-for-sustainability-empowering-organizations-on-their-path-to-net-zero/ >の提供を開始します。
本クラウドサービスは、企業の各拠点から排出されるCO2に関連するデータをAPI接続し、自動収集します。そして集めたデータをAIで分析しインサイトを提示します。
自社が設定した目標のトラックキングを行い、単純にデータを記録するのではなく、分析して次のアクションに繋げるためのインサイトを得られる、今後のサステナビリティの戦略の推進を支援するクラウドです。

他にもクラウドCO2排出量を可視化するツールとして、
Microsoft Emissions Impact Dashboard< https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/10/19/211019-empowering-cloud-sustainability-with-the-microsoft-emissions-impact-dashboard/ >を提供しています。
Microsoft AzureやMicrosoft 365の利用した際に、関連するCO2排出量を測定・可視化するためのPower BIアプリケーションです。こちらは無償で提供しているレポートがダウンロードでき、サステナビリティレポートの作成にも活用いただけます。

■海外におけるお客様との取り組み

ヨーロッパには、サステナビリティに敏感な人が多く、若い世代でも環境改善に貢献したいという動きがあります。イタリアのFloweというグリーンデジタルバンクでは、再生木材からできたデビットカードを提供しており、そのカードで買い物するたびに商品やお店から排出されるCO2の量を確認できます。消費者が、CO2の排出量が少ない商品やお店を意識するようになり、環境への関心を促す取り組みです。マイクロソフトは構想段階から携わり、システムはMicrosoft Azureの上で動いています。

オランダのRabobankは、農家が新たに木を植えて成長する際の炭素の固定量に応じで、カーボンクレジットを発行しています。それがマーケットプレイスで購入されることで、小規模農家でも農業以外から収入を得ることができます。マイクロソフトは、クラウドの技術や木の成長をモニタリングするリモートセンシングの仕組みを支援しています。

■国内におけるお客様との取り組み

一方で国内のセブン銀行< https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/03/15/220315-seven-banks-efforts-to-decarbonize-with-microsoft-cloud/ >は、Emissions Impact Dashboard for Azureを活用して、CO2排出量を可視化・分析する、実効的な取り組みを進めています。東京大学とは、CO2回収・貯留に不可欠な物理・化学過程を
シミュレーションするニューラルネットワークベースのモデルを共同開発しています。
三井住友フィナンシャルグループ< https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/03/09/220309-strategic-alliances-accelerate-digital-transformation/ >とは、Microsoft Azure を活用したグリーンファイナンスやサステナブルファイナンスのソリューション支援で協力し、脱炭素化関連の取り組みも行っています。

世界のサステナビリティの課題は、マイクロソフトだけでは解決できません。
あらゆる企業や団体が目標を達成するための支援を継続し、当社が得た知見を製品・サービスに反映しながら、ユーザー企業やパートナー企業に提供していきます。そして、当社の従業員の意識を高めるのはもちろん、企業や社会の目標達成のために政策提言などもおこない、社会全体で課題解決に取り組めるサイクルの実現を目指しています。

●本ブログの詳細につきましては、日本マイクロソフト広報資料サイトをご覧ください。
< https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/04/05/220405-whats-next-for-sustainability/ >

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