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Microsoft AI Tour - Tokyo基調講演: AI トランスフォーメーションを実現する 3 つの方法論(2024/03/04、ニュースリリース)

※日本マイクロソフトからブログ更新のお知らせがニュースリリースで来ました!

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Microsoft AI Tour - Tokyo基調講演: AI トランスフォーメーションを実現する 3 つの方法論
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2024 年 2 月 20 日 (火)、東京ビッグサイトで開催した「Microsoft AI Tour – Tokyo」の基調講演概要をご紹介します。Microsoft AI Tour は、「ビジネスの変革」をテーマに世界 11 都市で実施しており、日本では初めての開催となります。

●“あなたの “Copilot” として成長を支える”

基調講演の冒頭では、日本マイクロソフト株式会社 代表取締役 社長 津坂 美樹より、AI を取り巻く市場環境とそのインパクトを共有しました。「2024 年は AI を語る時代から AI を導入する年になるでしょう。経済産業省によると AI 導入による 2025 年までの経済効果は、中小企業だけでも 11 兆円、日本全体では 34 兆円のインパクトが試算されています。これは日本の GDP の約 6% に相当します。調査会社の試算でも1ドルの投資に対して約 4 倍のリターンがあることが分かっています」

続けて、「Copilot をいち早く使っていただいたお客様にアンケートを実施したところ、7 割が生産性の向上を実感し、メールの処理時間が 3 分の1短縮できたという結果も出ています。日本のお客様にも業務量の 90% 以上を削減できたなど幅広い導入の効果を感じていただきました」とお客様の声を紹介しました。

最後に、「Copilot は皆さんの副操縦士としてやりたいことをサポートするように成長します。皆様には今日から始めていただきたいことがあります。それは AI の筋トレです。私も毎日続けることでどんどん自分の筋肉量がついてきたと感じ、皆様と一緒にトレーニングを続けていきたいと思っています」と、来場したお客様へのメッセージとともに挨拶を締めくくりました。

●“生成 AI はあらゆる変革の実現を推進する”

続いて登壇したMicrosoft Corporation エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 チーフ マーケティング オフィサー沼本 健からは、AI トランスフォーメーションが与える4 つの機会とそれを実現する 3 つの方法論をご紹介しました。「AI によるインパクトは、①従業員体験の充実、②顧客エンゲージメントの改革、③ビジネスプロセスの再構築、④イノベーションのカーブを曲げる、この 4 つです。そして、当社は AI トランスフォーメーションを実現するために取り組むべき 3 つの方法論を提唱しています。第 1 に Microsoft Copilot の運用によって従業員の方々に生産性、創造性、効率性を高めていただく。第 2 に Copilot stack と呼ぶエンドツーエンドのスタックを使い、お客様ご自身の Copilot を実装していただく。第 3 に信頼に基づく共同イノベーションパートナーとして、AI 運用でビジネスデータの安全を確保することです」

■方法論 1: 生成 AI を使う

1 つ目の方法論では、Microsoft Copilot を使用した初期ユーザーの声を紹介するとともに、職務ベースのソリューションを説明しました。「アンケートによると実に 77% の初期ユーザーが Copilot を手放せないと回答しています。日本のお客様からも、英語の会議で Copilot を活用した際に 97% の精度で会議の内容を報告できたと回答いただきました。この精度はネイティブな英語話者が Copilot を使わないで報告したものよりも高く、お客様の国際的な協業関係の中でも Copilot は非常に役立つと考えています。また、Copilot は職務ベースのソリューションも提供しています。営業担当者の生産性を向上する Microsoft Copilot for Sales、カスタマーサービス向けのソリューションである Microsoft Copilot for Service、セキュリティ関係者向けの Microsoft Copilot for Security (現在プレビュー中)、開発者向けの GitHub Copilot など、Copilot は全てのエンドユーザー様にご活用いただけます」

Copilot for Microsoft 365 を利用いただいているお客様を代表して、本田技研工業株式会社 執行職 デジタル統括部長 河合 泰郎 様にご登壇いただきました。「Copilot for Microsoft 365 は 日々の業務情報や知識を知能化したレイヤーに対して大きな武器になると考えています。従来の情報管理の壁を越えてプラットフォームを横断し、ユーザーに知見を届けてくれます。Copilot for Microsoft 365 によって、お客様が持つドリームと我々が持つドリームを掛け合わせ、大きな力に変えていくことができるのではないかと大きく期待しています」

■方法論 2: 生成 AI を構築する

2 つ目の方法論では、独自の Copilot を実装するための中枢機能や導入実績を紹介しました。「Azure AI は複数の大規模言語モデルや数千のオープンソースモデル、音声認識など様々な AI サービスを提供しています。グローバルでは 5 万 3000 社以上のお客様に Azure AI を導入いただいており、これまで Azure を使用していなかったお客様が その 3 分の 1 にのぼります。日本でも数千社のお客様に Azure AI を導入いただいています」

続けて、AI 機能を実装するための 2 つのツールを紹介しました。「1 つ目はローコードの Microsoft Copilot Studio です。エンドユーザーやパワーユーザーの手で Copilot のカスタマイゼーションが可能となります。2 つ目はプロフェッショナルデベロッパー向けの Azure AI Studio です。お客様がお持ちのデータを参照しながら、大規模言語モデルによる AI ソリューションや高度なアナリティクスソリューション、コンテンツ生成ソリューションを構築することができます」

さらに、マイクロソフトが蓄積したプラットフォームの知見や学びを反映させた Copilot Stack を紹介しました。「Copilot stack は、AI インフラストラクチャをベースに、深層学習で最適化されたネットワーキングや様々な基盤モデルをご用意しています。AI で最も大切なデータ管理においても Azure Cosmos DB や Azure AI Search といったサービスをご用意しています。分析ではアナリティクスプラットフォームの Microsoft Fabric、データガバナンスソリューションでは Microsoft Purview をご提供しています。パートナー様とも協力してお客様のデータを Azure に持ち込み、Copilot stack でソリューションが構築できるようになっています」

お客様の AI トランスフォーメーションを実現するうえで、パートナー企業との連携は欠かせないと強調しました。「パートナー様の協力がなければお客様のメリットにつなげることはできません。マイクロソフトのエコシステムでは 40 万社以上のパートナー様と協力関係を築いており、さらに AI に特化した連携プログラムも開始しています。日本だけでもすでに 150 社以上のパートナー様が、お客様の AI トランスフォーメーションの加速に向けて尽力できる体制を整えています」

GitHub Copilo をいち早く導入した事例として、株式会社サイバーエージェント 専務執行役員 (技術担当) 長瀬 慶重 様にお話いただきました。「現在1000 人ほどのエンジニアが GitHub Copilot を活用しており、社内の生産性が 10% 向上しています。1 年後には 20~30%、3 年ほどで 1 人のエンジニアが 1.5 倍働ける状況になると思います。AI に任せるところは積極的に任せて、エンジニアにはクリエイティブで裁量のある仕事をしていただきたいです」

■方法論 3: ビジネスを保護する

3 つ目の方法論では、責任ある AI の取り組みと姿勢を紹介しました。「AI の安全性は決して後付けで考えるべきではなく、設計の初期段階から安全性を考慮して開発しています。当社は 2018 年にAI の 6 原則を発表し、公平性をはじめとした生成 AI に関する原則を公開しています。あわせて、トレーニングや啓蒙活動、社内での監査を実施するなど、AI の安全性が担保された形で日々の製品開発を進めています」

続けて、「Copilot で生成したテキストなどに著作権の問題がある場合、そのリスクをマイクロソフトが担保するサービスとして Copilot Copyright Commitment をご用意しています。この考え方をさらに拡張して、お客様が Azure OpenAI Service で大規模言語モデルを実装させた際、ガイドラインに従っていただければ著作権関連のリスクはマイクロソフトが担保します。このような形で皆様の AI トランスフォーメーションやリスク管理をサポートしています」と安心して AI導入を実現するためのサポート体制を説明しました。

AI 活用の準備として 5 つの柱を提言するなかで、「AI に限らずデジタルトランスフォーメーションが実現しないのは、技術的な理由ではないことがほとんどです。当社ではデジタルトランスメーションや AI トランスフォーメーションをサポートしていくなか、様々な知見を深めてホワイトペーパーを公表していますが、情報提供だけでなくマイクロソフトが皆様に寄り添い、サポートさせていただきたいと考えています」とお客様を支えていくメッセージを発信しました。

最後に、「日本では長らく少子化や高齢化が叫ばれており、国民一人ひとりの生産性を上げることは国家レベルでの至上命題になると思います。世界の中でも特に日本においては、AI が貢献する機会が大きいのではないかと期待しています。マイクロソフトは、皆様が追求される AI トランスフォーメーションを全面的にサポートさせていただきます」と基調講演を締めくくりました。

・Microsoft AI Tour - Tokyo: AI トランスフォーメーションを実現する 3 つの方法論:
https://news.microsoft.com/ja-jp/2024/03/04/240304-microsoft-ai-tour/

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