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管理職に昇進!・・・で、何するの?? 〜その3:相手のシチュエーションに合わせてリーダーシップを変化させる!〜

【この記事は以下の読者様を想定して書いています】
・新しく管理職になられた方
・新しい部署に異動した管理職

【この記事を読むことで得られること】
全6回シリーズ。新しい部署、新しい部下に対して管理職としてまず何をすべきかが、まるっとわかります!

【登場人物】
▼ホッソン(細野 和彦):
研修作家、人事コンサルタント。㈱ハブプロダクト代表取締役。年間250日以上の研修プログラムを設計から実施まで行う。 自ら講師としても登壇する一方、近年はHOMEROOM、ROGCHECK、RE:CAREERなどの育成プロダクトを世に送り出す開発者でもある。㈱ログシー 育成支援事業部 統括。

▼オガリン(仮名):
航空業界で総合職として勤務。航空機の運航を陰から支えている。後輩たちのキャリアに迷う姿を見て、一念発起してキャリコンの資格を取得し管理職に。新しい部署になり改めてマネジメントに悩む日々。



◆部下によってリーダーシップの型を変える!シチュエーショナル・リーダーシップのススメ

ホッソン:新任管理職としてまる一ヶ月経ちましたね!状況は変わってきましたか?

オガリン:タテ型リーダーシップを発揮してビジネスコミュニケーションをガンガン取るようにしてからルール作りが結構進みました!もともと自分はタテ型なので、その部分はやりやすい感じです。

ホッソン:いいですねー。メンバーに徐々に浸透してきている感じですね。そろそろ少しずつ、リーダーシップの型を変えてきてもいい頃かもしれませんね。

オガリン:…ずっとタテ型だと、“考える思考を部下から奪ってしまう可能性ある”と前、お話してくれましたよね。

ホッソン:そうです!よくぞ覚えてくれていました。なので、今後はリーダーシップの使い分けは重要になってきます。特にオガリンの場合は部下のタイプが今までと違うという事なので、考えてなくていけないのが「シチュエーショナル・リーダーシップ」なんですよ!

ホッソン:これは要するに部下によってリーダーシップの型を変えようというやり方です。自分のリーダーシップの特徴をそのまま出して通用する部下と、そうではなくヨコから入ったり、ナナメから入ったりしないと通用しない部下もいるのが組織ですよね。多様性という便利な言葉が最近流行っていますけれど、働く動機も皆さん多様化していますので。

①「モチベーションが高く、能力が低い人」はタテ型で。(S1)
意欲があるからビシバシと“こうやった方いい”、“ああやった方がいい”と仕事の型を教えていきましょう。ただし、あまり上から行き過ぎると意欲を削ぐことになりますのでくれぐれも気配りを忘れずに。

②「モチベーションが低く、能力が普通の人」にはナナメ型で。(S2)
部下本人に考えさせるクセづけをして、指示に余白を作り主体性を引き上げる感じですね。例えばルーティーンワークでも工夫の仕方次第で面白みを感じることができる…といった事を伝えたり。上司のアプローチ一つで意欲を引き出すことができますよ。

③「モチベーションにムラがあって、能力が普通の人」はヨコ型で。(S3)
“こうやって”、“ああやって”といった感じの指示ではなく、仲間の連帯感のような雰囲気を作って一緒につくりあげ、支えていく感じです。やればできるタイプが多いので、やる理由を、チームのため、仲間のため、お客様のため…とベクトルを自分以外に向けてあげることを意識してみるといいですよ。

④「モチベーションも能力も高い人」はナナメ型で。(S4)
ナナメ型というよりも基本的には任せるというリーダーシップをとると、マネジメントが上手くいき始めると一般的には言われています。ただし、進捗管理は管理職の仕事なので、中間報告や定期面談などで定点観測を怠らないようにしてみてください。

…こんな感じに部下によってリーダーシップの型を使い分けていくのですが、ただ管理職も人なので、自分の癖みたいなものが正直そう簡単に抜ける物ではないので。だからストレスがかかるというか…。(;^ω^)
自分のプライドをどこまで下げたらいいのかとか、どうして部下からきちんと報連相をしてこないんだとか、イライラしてしまったりするかと思います。ですが、そこに折り合いつけながら、部下のタイプに合わせてリーダーシップの型を変える…というのを、少しずつ始めていくといいと思いますよ!
この話を聞いて、今までマネジメントを振り返ってみてどうでしょうか?

◆今までのマネジメントを振り返ってみて…

オガリン:メンバーの年次やモチベーションに合わせて、リーダーシップの型を変更するというのは、私も今まで研修で習ってきているのですが、それを現場で実際に活かすというのがなかなか上手くいかないです。
あと、少し思うのは、任せたいのだけれど、相手を信頼するという事にどこまで責任を持てるか…というので躊躇う時があります。すごく簡単なものであれば任せてしまうのですが、大きな案件になってくると心配な部分があるので、報告はマメにしてもらうようにしてもらっています。直接お任せしてしまうタイプの人には、指示はあまり出さないのですが、報告をください!とは常に言っていますねー(^-^;

ホッソン:今の話でいうと、中間報告のタイミングをマネージャーが決めるというのはマネジメントで一番うまく行くパターンだとは思いますね。中間報告が1~2回で済む部下と、こまめに報告させてないと方向を見失ってしまう部下と、本当に様々ですからねー。案件の規模によっては報連相を共有するプラットフォームをつくって体制を整えるとか…そういう工夫も必要ですよね。ですが、こちらからお願いするだけでなく、部下から自発的に報告をしてもらえるように育てていかないと、部下も成長しないし…何よりもオガリンが楽にならないですよ!

オガリン:前に原監督(青山学院大学陸上競技部 監督)が“部下から相談してくる人を育てる”組織づくりをしたと(その1参照)お話してもらいましたが、まさにそんな感じなのですかね。とりあえず私のやり方を伝えて、それに沿いながら何かあったら常にアラートを出してくれるような…。

ホッソン:そんな感じですね!こちらからの指示を待つばかりの部下ではなく、部下からも自ら何か働きかけができるようになれば、組織はおのずといい方向に進んでいきますよ。

◆まずは傾聴!部下の話を聞き、リーダーシップの型を変化させてみよう!

ホッソン:あとは、上司は“忙しいオーラ”を決して出さない!これには気を付けてください!上司にしゃべりかけられない、質問しづらいと、部下は迷走してしまいます。そうなると…部下にあわせて、リーダーシップを変化させてもあまり意味がなくなってしまうので。

オガリン:それを言われると、胸を突かれます…。“忙しいオーラ”をすでに出していたかもです。(>_<) 言い訳になってしまいますが、なかなか激務で…。

ホッソン:いやいや、これはオガリンだけでなく管理職共通の悩みであり課題なんですよ。
要はこちらが“忙しいオーラ”を出しても、部下から自発的に質問や報告をしていくような指導をして関係性を築くことが大事なんですよね。

オガリン:つまり部下によってリーダーシップを変化させて…部下に寄りそう指導をしていく…?

ホッソン:そのとおり!そのためにも僕は指導する場をセッティングすることをおすすめしています。これが今、流行の「1on1」ってやつですね。

オガリン:「1on1」って、部下と週1回30分程度面談する制度のことですよね?

ホッソン:そうです!それを使って、部下の特徴をとらえてリーダーシップの型を変化させ指導していくんです。ここでもうひとつ!指導する前に大切なのは、部下の“心を緩ます”ことなのですが、この「1on1」は指導だけでなく“心を緩ます”効果もあるのです。

オガリン:部下の言葉を正しく傾聴することで、心を緩ませるのですね。

ホッソン:さすが!キャリコンの資格を持つオガリンですね!傾聴の大切さもわかっているー(*^^)v

オガリン:それはもう…。叩き込まれましたので、傾聴の大切さを。

ホッソン:傾聴はとても大切な技術ですが、管理職の中にはなかなか傾聴が苦手な方もいらして…(^-^; リーダーシップを変化させても、心を緩ますことができていないので、思うように部下が育たないといった例もあります。つまり“心を緩ます”傾聴ができるオガリンは他の管理職を比べて、1歩も2歩も先に行っているのですよ!

オガリン:あとは、部下にあわせてリーダーシップの型を変えていけばいい。

ホッソン:そうです! さきほど、オガリンが「部下に応じてリーダーシップの型を変更するのは実際はなかなか難しい」と言っていましたが、難しいのであればまずは「1on1」をして、部下の心を緩ませ関係性を築いていく事から始めていくのはどうでしょう?「1on1」をすることで、部下の特徴もつかめていくと思うので、徐々にリーダーシップの型に意識を向けていけば、自然と変えられるのでは?

オガリン:わかりました!まずは「1on1」をして傾聴で“心を緩める”ことから始めていきますね。

ホッソン:頑張ってください!

(ばんばん、つづく…)

▼管理職に昇進!・・・で、何するの??シリーズ▼
その1 自分がどんなリーダーなのかメンバーに伝えよう! 
その2 4つのビジネスコミュニケーションを意識しよう!
その3 相手のシチュエーションに合わせてリーダーシップを変化させる!←イマココ
その4 メンバーの主体性を育む、指示の余白とは?
その5 2つの目標設定を使い分ける!
その6 上司時々メンターで部下のラインケアをしよう!

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