起業時の商標出願について
こんにちは。つなぐIP株式会社CEOの
朝倉 和彦です。
商標と聞いてもあまりピンとこないかもしれ
ませんが、会社名や商品・サービス名などの
ことです。
僕は起業時に商標出願しましたが、商標出願
した理由として、自社サービスの名称を
ブランディングの観点からも、独占的に使用
できるようにするためです。
商標は早い者勝ちの為、その商標を商標権
として権利を取っておかないと、他人に権利
を取られてしまい、その商標を使用できなく
なってしまうリスクが生じます。
今回、僕自身が起業時に商標出願した経験
を基に商標出願について、ご紹介したいと
思います。
商標に少しでも興味を持っていただけますと
幸いです。
初めに簡単な僕の自己紹介です。
2019年4月1日につなぐIP株式会社を
設立し、知的財産アドバイザー事業、
起業アドバイザー、自社メディアの運営
などを行っています。
商標出願の方法
商標は早い者勝ちのため、事業を行うのであれば、商標権の取得の検討が必要です。
商品やサービス名を模倣されたとしても、相手に先に商標登録されてしまうと、本家であっても逆に訴えられてしまうことがあります。
なお、同一・類似商標があると商標登録ができませんので、商品やサービスのネーミングなどを起案する際には、J-PlatPatという特許情報プラットフォームで、同一・類似商標を調べておきましょう。
(特許事務所へ商標調査依頼することも可能です。)
商標の権利を守る商標出願の方法は、主に以下2パターンがあります。
【商標出願の方法】
①特許事務所に依頼
②自分でやる
僕は知的財産の知識や企業での知財担当の経験もありますので、今回自分自身で手続きをしていますが、商標出願を経験したことがない方は、①特許事務所に依頼することをお勧めします。
①特許事務所に依頼
商標出願書類の作成や特許庁への手続きは、弁理士(弁護士含む)以外は代理手続きをすることはできませんので、商標出願の手続きは特許事務所に依頼しましょう。
一見すると商標出願をすることは簡単に思えますが、当然のことながら専門性が求められます。
区分や指定商品・役務を選ぶ必要があり、知的財産の知識や商標出願の実務経験がない人は、色々調べても中々理解できないと思います。
商標出願するだけであれば、見よう見まねで書類作成できなくはないですが、特許庁の審査で否定されたときの意見書・補正書での反論は難しいです。
また、事業に重要な区分や指定商品・役務を選んでいないと、そもそも商標登録する意味がなくなってしまいますし、一度商標出願してしまうと追加修正できません。
そのため、特許事務所の弁理士の方に相談しながら、事業に必要となる商標の区分や指定商品・役務を商標出願する方がいいと思います。
初めての商標出願であれば、特許事務所に相談して検討しましょう。
②自分でやる
今回、僕は自分で商標出願の手続きをしています。
商標出願するには、以下のような商標登録願をいう書類へ必要事項を記入し、特許庁へ提出をする必要があります。
【出典】独立行政法人 工業所有権情報・研究館
商標出願の記載内容は、登録したい商標や商標出願する人の氏名、住所、商品・サービスの区分といったものがあります。
商標登録するまでに必要な費用は、最低28,400円(出願12,000円、登録(5年)16,400円)がかかり、特許印紙(収入印紙ではありません)で納付します。
その特許印紙は郵便局で購入ができますが、取り扱っていない郵便局もありますので、電話等で取り扱っているか確認をすることをお勧めします。
商標出願してから権利化までの期間は、約1年~1年2ヶ月かかります。
(現在もっとかかっている印象です。。。)
ただ、以下のような早期審査の制度を利用することで、審査結果を早めることができます。
①ファストトラック審査(約6ヶ月)
→申請不要
②早期審査(平均1.7ヶ月)
→申請要
①ファストトラック審査は要件を満たせば申請不要で、商標出願から約6ヶ月で審査結果が出ます。
②早期審査は、特許庁への申請が必要ですが、申請後平均1.8ヶ月で審査結果が出ます。
僕が商標出願したのは、会社を設立した2019年4月ですが、1年以上経った現時点(2020/7/28)でも、商標登録がまだされていません。
僕自身の教訓となりますが、商標出願する際は、権利化を早めるためにも、ファストトラック審査か早期審査することをお勧めします。
ちなみに早期審査は、特許事務所に依頼する際、3万円前後ぐらいが相場かと思います。
中間処理
中間処理とは、商標出願したあとに特許庁から審査の結果として、拒絶理由通知など商標登録できない理由などを通知された際に行う各種手続きのことをいいます。
商標の手続きは、特許庁へ商標出願の必要書類を提出して終わりではなく、審査官が審査をした結果、そのまま登録査定がされることもあれば、商標登録できない理由があると、その理由が通知されます。
商標登録できない理由(拒絶理由)が通知されたら、意見書や補正書で反論をすることで、商標登録すべき理由を特許庁の審査官へ伝えます。
今回、僕はこの拒絶理由通知を受けましたので、意見書・補正書を自ら作成し、特許庁へ提出をしました。現時点はこの中間対応をした段階です。
知財実務の未経験者であれば、意見書・補正書の作成は現実的ではないと思いますので、特許事務所に依頼した方がいいと思います。
なお、この中間処理は、特許庁への費用は発生しませんが、特許事務所に依頼した場合、別途代理人費用が発生します。
まとめ
知財実務の未経験者であれば、商標出願する際、特許事務所に依頼した方がいいと思います。その際は、早期審査も検討しましょう。
商標は出願して権利化までに通常1年はかかりますし、登録後も更新の申請手続きや費用が必要となります。
期限までに手続きをしないと権利が失効してしまいますので、気をつけましょう。
また、特許事務所に依頼した場合、商標の権利化までに10万円以上はかかると思いますが、弁理士の専門性とその後権利として半永久的に守れることを考えれば、決して高くはないと思います。
今はオンラインの商標登録サービスなどで、より安く依頼することもできますので、そのような選択肢を選ぶのもいいですね。
僕は、現在提出中の意見書・補正書により登録査定が出るか、ドキドキしながらも楽しみに待ちたいと思います。
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