見出し画像

特許調査の入門書【おすすめ3選】

こんにちは。つなぐIP株式会社CEOの
朝倉 和彦です。

特許調査と聞いても多くの人には馴染みが
ないかもしれませんが、企業による新規事業
の立ち上げやサービスのローンチ前などに、
他社の技術を調査することがあります。

他社の特許は無料のプラットフォームで
誰でも検索することができますが、知識や
経験がないと調査は中々難しいものです。

そこで今回は、特許調査に興味のある方や、
初学者の方へ特許調査の入門書【おすすめ
3選】
を、ご紹介します。

特許調査をご自身で行ってみたい方は、
とても参考になる本です。


初めに簡単な僕の自己紹介です。

2019年4月1日につなぐIP株式会社を
設立し、知的財産アドバイザー事業、
起業アドバイザー、自社メディアの運営
などを行っています。


特許情報調査と検索テクニック入門(改訂版)

画像1

「特許情報調査と検索テクニック入門」は、知財情報コンサルタントである野崎篤志氏の著書です。

【著者】
野崎篤志(のざきあつし)
株式会社イーパテント 代表取締役社長
知財情報コンサルタント
1977年11月 新潟県生まれ
2002年  3月 慶応義塾大学院 理工学研究科  総合デザイン工学専攻 
       修了(工学修士)
2002年  4月 日本技術貿易株式会社入社 IP総研に配属
2010年  3月 金沢工業大学院 工学研究科  ビジネスアーキテクト専攻
       修了(経営情報修士)
2010年  4月 日本技術貿易株式会社入社IP総研  コンサルティングソリュ
       ーショングループ グループリーダー
2010年10月 日本技術貿易株式会社入社IP総研 マネージャー
2012年  4月 ランドンIP合同会社 シニアディレクター(日本事業統括部長)
2013年  4月 東京理科大学 工学部 非常勤講師
2014年  4月 東京理科大学院 イノベーション研究科 非常勤講師
2017年  4月 K.I.T虎ノ門大学院 イノベーションマネジメント研究科
       客員准教授 
2017年  5月 株式会社イーパテント 代表取締役社長
2019年  3月 平成30年度特許情報普及活動功労者表彰
                    特許庁長官賞 受賞

この本は、2019年12月24日に改訂版として発行された著書であり、特許情報調査についてとても細かく解説がされている実務書です。

内容はリニューアルされた特許情報プラットフォームJ-PlatPat(ジェイプラットパット)に対応しており、特許検索式作成のテクニックの形式知化を目指している本となっています。

特許調査の検索式は担当者の暗黙知になっていることが多く、経験とノウハウの比重が高いため、このような本は貴重です。

先行技術調査であったり、技術動向調査として機械学習検索式作成事例があるなど、検索式組み立ての理解につながりやすくなっています。

特許調査の検索式は、調査対象技術のキーワード特許分類を組み合わせるため、初心者の方には少し難しいかもしれません。

ただ、この本はIPC(アイピーシー)やFI(エフアイ)などの専門用語にフリガナが振られているなど、初学者にも配慮がされています。
(専門用語などは、何て読むのかなと思うことありますよね。)

この本は著者が特許情報調査の入門者だけではなく、初級者、中級者、上級者へとレベルアップする際にも活用できる内容を目指している本でもあり、ボリュームも400Pページほどあるなど情報量が多いです。

前半は初学者には少し難しい内容となっていますが、P244には初心者向けの検索式構築アプロ―チとして、最低限押さえるべきポイントなどがわかりやすく説明がされています。全般的に例があるため、実務イメージがしやすい内容です。

特許調査経験がある人も、より知識が深まると思いますので、おすすめです。

なお、著者はYouTubeもされていますので、気になる方は是非ご覧下さい。

【YouTube】e-Patent - 知財情報を組織の力に


特許調査入門(第三版)

画像2

「特許調査入門」は、第1回特許検索競技大会の優勝者でもある酒井美里氏の著書です。

【著者】
酒井美里(さかいみさと)
スマートワークス株式会社 代表取締役
1994年 奈良女子大学 理学部 卒業
同年  セイコーエプソン株式会社に入社
     特許室(現在・知的財産本部)にて出願権利化を担当
1995年 エプソンインテリジェンス株式会社(調査解析部)へ出向
2005年 エプソンインテリジェンス株式会社を退職
2005年 スマートワークス有限会社を設立、代表に就任
2008年 スマートワークス株式会社を設立、代表取締役に就任
2015年 日本パテントデータサービス株式会社 知財研修部 顧問に就任
2018年 特許情報普及活動功労者表彰 特許庁長官賞受賞

この本は、2020年5月30日に改訂版として発行された最新の著書です。

4つの章に分かれていて、特許情報検索の基礎、特許調査の精度上げなど、特許調査の基本的なテクニックと合わせて、基礎的な理論も学ぶことができます。

この本も、リニューアルされた特許情報プラットフォームJ-PlatPatに対応していますし、特許検索競技大会優勝者による著書となっています。

特許調査は経験するとわかりますが、絞りすぎて漏れがあってもいけないですし、逆に対象を広げ過ぎてノイズが多くてもいけません。

この本は、特許検索のキーワードの精度上げや、精度上げのための特許分類などの解説が詳細にされているなど、わかりやすい内容になっています。

特許調査の入門から初級レベル、ある程度調査経験のある方など、読者のレベルに合わせて自分にあった章から読むこともできる実務書です。

またP318には、スタートアップ企業・大学発出願と発明者検索に関する内容があるなど、ベンチャーやスタートアップの参考にもなると思います。

まずは読解したいという方におすすめです。

本著者もYouTubeをされていますので、気になる方は是非ご覧下さい。

【YouTube】スマートワークス株式会社


特許検索データベース活用術

画像3

「特許検索データベース活用術」は、特許検索競技大会準優勝でもある小島浩嗣氏の著書です。

【著者】
小島浩嗣(こじまひろつぐ)
1986年 早稲田大学大学院修士修了(半導体物性の研究)
1986年~2004年 (株)日立製作所中央研究所~半導体事業部~
     (株)ルネサステクノロジにて、ディジタル信号処理LSIの
      研究・開発・設計に従事
2004年~2011年 (株)日立技術情報サービスにて、サーチャと
      して出願前調査、技術動向調査、無効化調査等に従事
2009年 弁理士試験合格
2010年 弁理士登録
2010年 特許検索競技大会準優勝
2011年10月~ 玉村国際特許事務所(特許出願、中間処理業務)

この本は、2017年2月20日に発行された著書であり、技術者・研究者向けですが、初学者にも参考になります。

著者自身、元々技術者・研究者であり、その後サーチャー(特許調査担当)に転身されています。

この本は、技術者・研究者向けに、特許検索データベースを使いこなして、日常的に特許情報に接することで、技術潮流を把握して、一大発明を成し遂げて欲しいとの著者の思いから書かれています。

初めの100ページほどは、特許情報の活用特許制度、特許分類についてなど、概要についての説明があり、初学者にも読みやすい内容となっています。

特許調査する際に生じる疑問でもある、特許調査はどこまでやったら「終わり」にしてよいのか?検索に失敗していると感じたら…などに対しての解説がされているなど、全体的に読みやすくなっています。

リニューアルされる前の特許情報プラットフォームJ-PlatPatを基に説明がされていますが、技術者・研究者の方におすすめです。


まとめ

今回、特許調査の入門書(おすすめ3選)として、特許調査について学びやすい本をご紹介しましたが、僕自身とても勉強になりました。

特許調査は専門性があるため、初学者の人には難しく感じると思います。本を1度読んだだけでは中々理解しづらいと思いますので、必要な箇所を何度も読み返してみるといいと思います。

実際にJ-PlatPatを触ってみて、検索に慣れる必要があります。技術者・研究者の方は特許文献を読み込んでいたり、特許調査の経験がある方もいるかと思いますので、知識の補完的に本を読んでみるのもいいかもしれません。

今後も、読んでためになると思う本があれば、ご紹介していきます。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?