テロワールと言う考え方

テロワール(Terroir)とは、「土地」を
意味するフランス語terreから派生した言葉である。
もともとはワイン、コーヒー、茶などの
品種における、生育地の地理、地勢、気候による
特徴を指すフランス語である。
同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が
共通するため、作物にその土地特有の性格を与える。

Wikipediaより

と言うのが「テロワール」の基本的な考え方です。

元々はワインの世界では「テロワールTerroir」というフランス語がよく聞かれます。

この言葉を辞書でひくと「風土の、土地の個性の」と記されていますが、もっと身近な言葉でいえば「ブドウ樹をとりまく環境すべて」を指します。

●気候タイプ(年間を通じて乾いているのか、雨が多いのか等)
●土壌の個性(砂利質土壌もしくは肥沃な土壌なのか等)
●地形の特徴(斜面なのか平地なのか等)

が、テロワールの基本です。

このテロワールは
国といった大きなレベルで語られたり
地方や地区という比較的小さめのレベルで
極端に細かいレベルでは
畑でテロワールの違いを語る専門家
も中にはいるほど、ある意味曖昧な考え方ですが
重要な考え方でもあります。

ここで重要なのは


「考え方」そのもの。です。


フランスを筆頭としたヨーロッパの国々では、
このテロワールがワインの味わいに大きな違いをもたらしているという考えが古くから根付いています。

そのためヨーロッパのほとんどの国では、
ワインの法律は土地をキーとして組み立てられており、たいていは産地名がワインの名前になっています。このような思想を「Vin de Terroir」とよびます。

日本酒における「テロワール」については、実はいろんな奥深い部分や、根付いていない部分。
ワインのブドウほど影響を受けないと言う考え方など
さまざまな考え方の中で「テロワール」の考え方は
定着していません。
実はその事が、日本酒を難しくしてしまっているとも言えます。

例えば、日本酒の名前。ラベルについている名前ですね。もう蔵が勝手に付けているので、なんだかわからないですよね。笑。

だからこそ「テロワール」とは
考え方そのものが、大事なのです。

ここまでこのnoteで出てきた
弘化元年1844年創業の老舗 酒蔵 佐藤酒造店は
お酒のラベルが「越生梅林」です。

非常に分かり易いですよね。

越生梅林園の直ぐそばの酒蔵で、
ラベルが「越生梅林」。本当にわかりやすいです。
好感持てます。

わけのわからない「美味しそうな」ラベルとか
いろんな名称がいろんな蔵にありますが
実は「本当にわかりにくい」んです。日本酒のラベル。

越生梅林 梅酒うめさけ。で考えると

❶そこの蔵の自生する無農薬の梅だけを100%使用
❷もぎたてを、その場で浸漬する
❸佐藤酒造店の杜氏 佐藤麻里子 杜氏の自家醸造した日本酒だけを100%使用
❹梅酒になるまでの製造も、佐藤麻里子 杜氏が自らが全て製造。
❺日々の梅の木の管理も蔵人が管理

と やはり、しっかりしているんですね。

これは、佐藤 麻里子杜氏の
「考え方」そのものが、ブレないから。です。

そこには「自分の目が届く範囲しか製造しない」
材料も、全部、自分が納得いく「安心」「安全」であること。

と言う考え方がしっかりしていることにあります。

日本酒は「米」と「麹」と「水」
梅酒は、「日本酒」と「梅」と「糖類」だけ。
添加物無しの「本格梅酒」で製造。

「本格梅酒」については、過去のnoteを。

1844年弘化元年から梅と共に生きる
酒蔵の話「本格梅酒」の話。

「水」については、過去noteの

1844年弘化元年から梅と共に生きる
酒蔵の話「仕込み水」

「麹」については、過去のnoteの

1844年弘化元年から梅と共に生きる
酒蔵の話 「麹造り」

1844年弘化元年から梅と共に生きる
酒蔵の話「麹こうじ」と「麹室の大切さ。」

を読んで頂ければ、より深く知ることができます。

佐藤酒造店は最新の設備から空調管理。そして
冷蔵保存まで「美酒造り」の環境が整っている
「数少ない酒蔵」です。
酒米も、佐藤麻里子杜氏、自らが確認します。

実はここまで全部こだわっている梅酒は
全国で「僅か」だと思います。

梅は買ってきて、もちろん誰がどのように生産したか杜氏は、全くわからない。そもそも梅酒に
全く興味がない杜氏が普通です。

杜氏自ら梅酒をやる蔵さえ皆無かもしれません。
蔵人の下っ端がやれば良い方。
下手すれば、日本酒だけ自社で梅酒は外注です。
それが普通の世界ですし、それでも
「国産」ですし「同じ県産」かもしれません。

越生梅林 梅酒うめさけが、こだわり過ぎなのです。

越生梅林園と言う関東三大梅林園の蔵元と言う
梅にこだわり続ける酒蔵だからこそ
手を抜かない梅酒を造る。
だからこそ、梅酒で全国で一位になる過去も…
旨い酒は当たり前で
美しい味の「美味しい」が
テロワールの考え方の基本です。

単なる酒屋の私ですら、
ここまで知っているわけですから。笑。

佐藤酒造店のとある酒米の畑です。

もちろん刈り取りまで佐藤 麻里子 杜氏が
目の届くところとして苦労しています。

仕込み水や洗米の機械も最先端の設備で
蒸米もこだわり、麹から上槽まで、全て
佐藤麻里子 杜氏自らがやります。

杜氏を入れて蔵人3人でしか、
全てのお酒を仕込みません。
だから、少量で出回らない。

「こだわりにこだわり続ける」先にしか

「本物」は絶対にできません。
絶対に。です。

実際に佐藤酒造の梅の木の写真ですが
梅の花は、もう梅の実になっていきます。

この段階から、佐藤麻里子杜氏や蔵人が
梅の世話も見ていくわけです。
一年間で「休み」と言う発想は本当に無いです。
自分の家の敷地ですから。蔵そのものが。

自分の蔵の梅の木だからこその最高な梅です。



甘酸っぱい。桃のようなかなり甘い香りが
梅の木から漂い、実が落ち始めると
収穫になりますが


その判断も蔵人で決めます。
もぎたてを、一気に自家醸造の日本酒に浸漬する
タイミングをはかります。

いつ収穫したかわからない梅ではなくて
蔵の宝物の梅です。同じ蔵で育った子供です。

「美味しい青梅」しか「美味しい梅酒にならない」

美味しくて当たり前で。その上の努力をするんです。

「梅の選定も、実は大変です。」

越生梅林 梅酒うめさけになるには、
熟していてはダメですし、青過ぎてもダメです。

「青いダイヤ」と呼ばれる由縁です。

これが、基本的な梅仕事の考え方ですが。
完熟の方が良いと思う人が多いのですが、
実は全く違うんですね。
「それは梅干しだけ」です。

全てにおいて「青いダイヤ」が良いんです。

綺麗ですよね。1個は大きいんですよ。
梅酒タンクが大きいので。上の手のひらのサイズを
見てください。しかも黄色い部分がほとんど無いですよね。こんな梅で梅酒を漬けるのは夢のような話です。贅沢過ぎます。
蔵に無料で実がなるから。笑。
買ったら大変です。梅酒の値段もべらぼうに上がります。越生梅林 梅酒うめさけ。
安いですからね…500mlで1,400円しないくらい。


余談でしたが、ここに佐藤麻里子 杜氏の
自家醸造の日本酒を入れます。


美味しいんですよ。驚くほどに。
衝撃を受けるはずです。
今まで、自分が呑んでいた梅酒は、
一体なんだったのか?と

またね。ラベルも

とても可愛いんですよ!
グリーンのところが「梅の実」の絵柄です。
青いダイヤのように。ピカピカグリーンです。笑。
中味が見えるのが「本物」の表れですね。

普通は、瓶に色を付けます。
梅酒の薄さがバレてしまうので
緑色の半透明の瓶が多いですよね。
「品質が緑色の瓶の方が劣化しにくい」は
単なる言い訳なので、知っておいてください。笑

そもそも、いろんな着色料、で色付けてるの
本当に多いんですよ。

越生梅林 梅酒うめさけは、「本格梅酒」です。

テロワールの話に戻ります。

その土地には固有の個性が存在するということ。
「土地の個性」=テロワールとして認識された。

と言うのが、「現代のテロワールの考え方」です。

テロワールという言葉はもう少し広義になり、
ワインだけでなく、農作物、チーズ、肉や
海産物にいたるまで、各地の特産食材などを
語るときにも使われます。

同じ地方で作られるワインと郷土料理、
チーズなどとの組み合わせがよく合う理由として

“テロワールが同じだから”と
表現されることがよくありますが、

気候を含めた土地の個性にその地方の風土や文化
という概念が加わり、そこに愛着や価値が生まれ、
食材の美味しさを語るキーワードの一つとして、
テロワールは大きな意味を持っています。

と言うのが
kazuhiko的なテロワールの考え方です。

「テロワールは、人智の及ばない巨大な力。」
フランスではよく使う表現です。

その力を引き出して最大限に生かすのも、
ダメにして殺してしまうのも、

最後はその場所で梅酒造りに
関わる人間の手と魂だ、ということ。

kazuhiko的には、そういう意味で
「人」もテロワールの一部なのかもしれない

と言う部分を今回伝えたかったわけです。

佐藤麻里子杜氏の前は、お父さんが杜氏で
その前は祖父が杜氏…
1844年弘化元年創業の老舗酒蔵で
もちろん、家族ではない杜氏もいたけれども

「佐藤 麻里子」と言う杜氏が創り出す
越生梅林 梅酒うめさけは、これからも
どんどん、究めていくことと思います。

しかしながら、梅の実そのものの出来不出来は
その年々で、豊作かどうかは、自然が決めること
ワインでも年代で変わるように、越生梅林梅酒うめさけも、味わいが、変わります。
そこも含めて「愛着」を保てる酒が「地酒」であり
「自酒(自分の酒)」だと思うのです。

1番大事なのは、テロワールそのものの論議ではなく

テロワールを感じる

酒か、どうか?です。

全てが見える「越生梅林 梅酒うめさけ」のnoteを
軽く描かせて頂いて毎日描いて2か月かかりました。笑。このnoteそのものが、まだ今日の段階で
「越生梅林 梅酒うめさけ」しか、紹介できていません。笑。

それも、まだまだ。なんです。

ただ知って欲しいのは
そこまで、描ける「食品」って
実はあまり見たこと無いですよね?
もちろん描く暇人もいないですが。笑

テレビに出て有名だったり
ネットで、話題の第一になったり

多くの賞を獲り、マスコミ来たり

そんなことも、大事かもしれませんが。

やはり、「作品そのもの(お酒)」が、どういうものなのか?が、1番、大事なことです。

佐藤 麻里子 杜氏も、目の行き届く量しか
醸さない。と言う部分を大事にしています。
醸造中はSNSも、ほとんどやらないくらい
徹して醸造蔵に籠ります。

越生梅林 梅酒うめさけ

今年は、新型コロナ禍で
越生梅林園の梅まつりも、実質、無かったに
等しい中で、ネットで買えるようになりました。
朗報です。

是非、佐藤酒造店の公式HPから
越生梅林 梅酒うめさけ ご利用頂ければ幸いです。こちらから購入できます。

酒蔵応援 よろしくお願いします。

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