フルリモート広報として成果を出し続けるために必要な“3つの心得”
この記事は【#PRLT(Lightning Text) Advent Calendar 2020】の第11日目(12月11日分)にエントリーしています。
「フルリモートで広報なんてできないでしょ」
わたしが移住前に言われた言葉です。
もしかしたら多くの方が同じような思いを持っていたり、葛藤していたりするのではないでしょうか。
わたしは「広報」という仕事をもったまま地方に移住し、約8ヶ月が経ちました。
固定観念を覆したいという思いの中走り続けた日々でしたが、結果「今の時代、どこにいたって広報はできる」という結論にたどり着いています。
◇コロナ禍で変わった「人生観」
わたしが所属するベルフェイス株式会社は、オンライン営業システム「bellFace」を開発・提供しています。
2015年の創業時から啓蒙してきた「営業のオンライン化」は、新型コロナウイルス感染症の拡大により不可抗力的かつ劇的に進みました。
弊社も3月からフルリモート勤務になり、わたし自身、仕事や人生について考える時間が増えました。
ちなみにわたしは東京生まれ東京育ち、中高時代のたまり場は歌舞伎町のはなまるうどんという生粋のシティーガールのため、東京以外に住むなんて今まで考えたこともなかったです。
ただこのコロナ禍で「東京に居続ける意味」を見いだせず、徐々に人生観が変わっていきました。
出口のないトンネルにいるような感覚に嫌気が差したわたしは、ふと「一度東京を離れてみよう」と思い立ち、上司に相談した上で、緊急事態宣言発令前に移住を決めました。
もちろんフルリモートで広報ができるのか?という不安や葛藤はありました。しかし「働き方や働く場所の制限を解放していくようなサービスを提供している自社が、場所にとらわれて自由に働けないなんてイケてない!率先してモデルケースを作る!」という気持ちで、自身を奮い立たせたことを覚えています。
◇気になる広報実績
まずは広報の定量成果を丸出しでお伝えします。
<2020年4月~9月の実績>
※10月から事業広報を後任に引き継いだため、着任期間のみの実績にしています
メディア掲載件数:115件
テレビ(キー局)露出:6件
◇Live News α(フジテレビ)
◇WBS(テレビ東京)
◇グッとラック!(TBS)
◇Nスタ×2(TBS)
◇グッド!モーニング(テレビ朝日)
ほかBSや地方局など、数十件
ありがたいことにこれだけ多くのメディアさまに注目していただき、「bellFace」について取り上げていただきました。
「オンライン営業」という時流も相まって、今まででは考えられないほど多くの反響もありました。
数が全てではないですが、フルリモートながらしっかりと実績を出せたことにまずは一安心です。
そしてこれらの取材の多くは基本オンラインで行いました。
提供サービスの特性上、オンラインで対応させていただくことはメリットでもありましたし、このご時世なのでオンライン化はスムーズに行えました。
ここからは本題の「フルリモート広報として成果を出し続けるために必要な“3つの心得”」をお伝えしていきます。
◇事前準備を入念に行う
広報として当たり前のことですが、フルリモート広報になってからは、より入念な準備を行っています。
記者さんと認識のズレがないか確認するため、必ず質問表をいただき、取材前に想定回答をインタビュイーにテキストで伝えます。
取材に深みを出すためにすべてを広報がハンドリングするのではなく、広報として伝えてほしい話のエッセンスを伝え、基本はインタビュイーの言葉で伝えてもらっています。
取材をしていただくメディアの想定読者や参考記事、メディアの方針や傾向、記者さんの興味分野を伝えることも、双方にとっていい記事になるために重要な点です。
リモート取材になり一番困ったのは、「写真素材が撮れない」ことです。
これを解決するために、よくメディアに出演するメンバーの写真素材をフォルダに分け、いつでも提供できるようにしました。
また記事に取り上げていただきたい新機能に関しては、事前にイメージ画像を用意しておき、記者さんが記事に入れ込みやすいように工夫をしました。(以下記事に使われている素材は、すべて自社で事前に用意したものです)
またコロナ前からロゴやキービジュアル、サービスのイメージ画像などはメディアキットとして公開していたため、記者さんにはURLを送るだけで対応が完了する点も良かったです。
◇行動量重視のメディアキャラバンは辞める
広報のみなさんが一番気になっているのは「メディアリレーションはどうしているの?」という点ではないでしょうか。
結論から申し上げると、アウトバウンドのメディアキャラバンは辞めました。
そもそもコロナ禍で、従来のような足で稼ぐメディアキャラバンは行えない中「どうやったらインバウンドで取材をしていただけるか」という頭に切り替えました。
広報に着任してから2年間で築いた既存のリレーションを駆使し、メディアの三角形を意識しながら「掲載が掲載を呼ぶ」サイクルを作っていきました。
(創業手帳 記事より引用 https://sogyotecho.jp/promotion3pointnozawa/)
PR会社さんに一部メディアリレーションのご支援をいただいたり、企画の壁打ちをしていただくことで、インハウスではやりきれない部分も補填できました。
結果、キー局のテレビ露出をきっかけに新聞の取材をいただけたり、Web記事がきっかけで雑誌の取材をいただいたりと、とても効率的で良いサイクルができあがりました。
◇“お願い力”を高める
とはいっても、フルリモートで働いていると1人ではやりきれないこともたくさんあります。
そこで大切なのは「社内外問わず広報の協力者をつくる」ことです。
例えばオフィスでの急な取材や撮影はチームメンバーに同席してもらい、オンラインでつないでもらったり、社長や役員陣自らメディアに出演してもらったり、調査リリースを設計する際には外部のパートナーに協力していただいたりと、たくさんの協力者がいて、どの方角にも足を向けて寝られない状態です。
大前提として、社内外に対して広報を理解してもらうための啓蒙活動や、快く引き受けていただくために日々のコミュニケーションが必要不可欠ですが、「お願い力」は広報にとって、とても重要なスキルだと思います。
そして協力してくれたメンバーには、惜しみなく感謝の言葉を送ります。
これは社内で利用しているピアボーナス「Unipos」の投稿ですが、みんなに見える形で最大限の感謝を全力で伝えます(笑)
広報って本当に周りの協力なくして成り立たない仕事ですよね。
ひとりで抱え込みすぎず、ほどよく周りを頼って、いい意味で巻き込むことがとても大事です。
◇おまけ
フルリモート広報をはじめてみて意外だったのが、記者さんがこの働き方自体に非常に興味を持ってくださる点です。
最初は直接会えないという制約でご迷惑をおかけしたり、印象が悪くなってしまうのでは…という一抹の不安がありましたが、むしろ真逆でした。
「素晴らしい働き方ですね!」「さすがベルフェイスさん」「わたしも移住したい…」などポジティブな反応ばかりだったのは、わたし自身も驚きました。
(移住の話を日経新聞の記者さんに話したところ、なんと記事にしていただきました…!)
先日数ヶ月ぶりに東京に行ったときに、オンラインでは何度もお話しているのに初めて直接お会いできた記者さんもいて、会うなり「わあー本物!」と盛り上がったりと、なんだか得した気分になりました(笑)
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働き方や働く場所にとらわれず、自由な生き方ができている今がとても楽しいです。
このnoteを最後まで読んでくださったあなたにとって、少しでも前向きに、自身の働き方や生き方と向き合うきっかけになれたら嬉しいです。