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キングダム第673話考察・漂う空気

ネタバレ⚠

こんにちは、KAZUMAです。下記は前回の考察です。

今回の第673話は、ヤングジャンプNo.16号でお読み頂けます。

六大将軍の復活、それは6人の将軍に戦争の自由を与えるというもの。法人で言えば、現場の決定権を与えるということになります。ただ、人の生死、国の存亡を賭けて戦う乱世においては、その判断はあまりにも大きな責任を伴い、ともすれば一気に亡国に傾くという、いわば諸刃の剣というわけです。

そしていよいよ、趙との決戦が迫ります。この前線において、王翦・楊端和・桓騎の3人の将軍が揃い踏み。

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改めて時系列を整理しましょう。これから始まる趙との戦は、第1次平陽の戦いです。これは紀元前234年のこととされています。最終的に趙を滅ぼすのが紀元前228年ですから、この間、なんと6年もの歳月をかけることになります。

一方で、六大将軍のひとり・騰将軍が韓に攻め入ります。ネタバレですが、韓のほうが趙より先に滅びます。紀元前230年のことです。先に、と言ってもやはり4年かかるわけですね。そして騰将軍は、もともと韓の出身なのです。祖国を滅ぼす心中やいかに…ですよね。

さて、趙との戦いに話を戻しましょう。改めて地理的な位置関係を掲載します。

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現在、秦の3将(王翦・楊端和・桓騎)が布陣しているところが、②のあたりです。ここから趙の首都・邯鄲は目と鼻の先なのですが、秦は防御に長けた趙軍を正面突破することが出来ません。攻めてくる方向が分かっている趙の防衛隊を真正面から撃ち抜くのは、いくら秦の将と言えども難しい。

そこで、⑤の平陽の戦いが始まります。

■平陽はどこを指している?
邯鄲市臨漳県(②の東側)にあるという説明もあるのですが、古代の地図を参照すると山西省臨汾市にあるということなので、後者をチョイスしています。

また、「紀元前233年、桓齮は秦軍を率いて東の上党に進軍し、太行山を越えて趙の深部に侵入し趙軍を破り、赤麗と宜安を占領した」そうなので、これを信じるのであれば、太行山を超えるには一度西に兵を動かす必要が出てきます。また、上党は現在の長治市なので、⑤山西省臨汾市から兵を動かすのが妥当な考察だと信じています。

ネタバレですが、平陽の戦い(第1次・第2次)の主役は桓騎将軍です。

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今回このようにほのめかされてますが、「暴走」するのは桓騎将軍でしょう。

趙は桓騎将軍が平陽に兵を進めたことを察知し、扈輒(こちょう)将軍を桓騎将軍に対峙させるのです。桓騎将軍は難なくこれを打ち破り、趙兵10万人を斬首。おそらくこれが「暴走」とされるのではないでしょうか。

思い出されるのはかつて六大将軍だった白起将軍が、趙との長平の戦いにおいて、約20万人を生き埋めにしたことです。桓騎将軍は、趙の兵士たちの士気を完全に奪い、これ以上の抵抗をさせないように、このような仕打ちをしたのかもしれませんね。

その後の結末やいかに。

本日もお読み頂きありがとうございました。他の記事は下記からお読み頂けます。


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