キングダム第649話考察・魏との同盟画策
ヤングマガジン・キングダム本誌の第649話についての考察です。単行本だけを読まれている方は、ネタバレ注意です。
実は既に考察の記事を書き終わっていたのですが、他の記事をアップすることを優先してしまったため遅くなってしまいました(滝汗)。649話でのポイントは、秦の趙攻略のために、昌平君が「秦魏同盟」を魏に打診したことです。
位置関係
では、位置関係を少し整理してみましょう。まず、秦が趙から奪った居城である鄴(現在の鄴城遺跡)から、秦が落としたい趙の都・邯鄲までの距離はどれくらいなのでしょう。
直線距離で約42kmなので、目と鼻の先ですね。少しわかりにくいので補足しますと、南にある○が鄴城遺跡で、北にある○が邯鄲です。では地図のずっと下の方を見てもらうと、黄河を渡ったところに開封市が見えると思います。ここが、魏の王都である大梁です。
(画像:キングダム本誌 第649話より引用)
この魏の王都である大梁(現在の開封市)から、秦が邯鄲攻めを行っている拠点である鄴(鄴城遺跡)の位置関係を見てみましょう。
直線距離で約160kmです。徒歩で約1.5日の距離です。
史実の時代背景
秦の「趙攻め」と、「魏との同盟」は史実で見ると下記の通りです。
紀元前236年 王翦軍による攻撃で趙の鄴を陥落させた
紀元前235年 秦と魏の連合軍が楚を攻めた
紀元前234年 秦・趙の平陽の戦い
上記より、現在キングダム649話で描かれている場面は、紀元前236年~235年の出来事だと思われます。
楚の什虎城とは?
秦が魏との同盟締結の条件として提示した、什虎城の割譲。現時点では、楚の領土であることが描かれていました。調べてみましたが、什虎という地名は存在せず、架空の地名または城の名称かもしれません。
(画像:キングダム本誌 第649話より引用)
ただ、魏の軍師・玻璃(はり)が、「重要な地」であることを名言しています。
魏・楚・韓・秦の四か国の国境地帯
最大の不落の要地
ここは一体どこなのでしょう。
参考となる地図がなかなかないので拝借しました。私は最初、楚の「陳」だと思いました。ここは現在の淮陽区周口市あたりで、黄河文明の中心地です。ちなみに、陳勝・呉広の乱の陳勝が蜂起した土地でもあります。
ただ、四か国の国境とのことなので、該当するような場所が見当たりませんでした。勢力図がめまぐるしく変わっていく時代なので、妄想すると陳(周口市)より少し西にある、現在の南陽市あたりではないかと思いました。赤丸のあたりです。
周口市から西の地にあります。ここが魏の領土ではなく、楚が支配していたと考えれば、四か国の国境地域になり得ます。
地理的には恐らく、陳か南陽のどちらかでしょう。
ちなみに陳には「陳城」があり、前述の通り、まさに秦が滅ぶきっかけとなった陳勝が居城としたところで重要な地ではあります。それをあえて陳と呼ばないことにしたのは、統一後の陳勝・呉広の乱までは描かない原先生の忖度かもしれませんね。
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