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ベンチャー創業日誌@シカゴ(13):お医者さんと結婚する近道はお医者さんになること。

私は生まれてこれまでに、自分の方針の大きな間違いに気づき方向転換したことが少なくとも3度ある。その3つどれをとっても、自分の住んでいた場所から遠く離れたところに直接出向き、その現場で間違いに気づき、速攻で方針転換した。

1番目は上京して通った東京の予備校。高校時代の勉強の仕方が全く非効率的だったことに気付かされ、生活習慣を含めた勉強の仕方を一変させた。移動距離、下関―東京約1,000キロメートル

2番目は今から22年前のテネシー州メンフィスの遺伝学会。古典的な遺伝学の手法に固執していて、最新のゲノム解析の情報に注意を払っていなかった。実はその中に当時抱えていた課題を解決する大きなヒントが潜んでいた。移動距離、シカゴーメンフィス約900キロメートル

3番目はつい先週のサンフランシスコのアルツハイマーの臨床試験学会。あまりにも自分たちの発見、技術に固執するあまり、世の中の流れに乗っていなかった。いわゆる“ガラパゴス”。移動距離、シカゴーサンフランシスコ約3,400キロメートル

この3つに共通することはトップレベルのプロフェッショナルが集まる場所で起きていること。自分やその周りの人とだけ話していると、気づくとそれが世の中全てと勘違いしてしまう。プロフェッショナルが集まる場所には独特の雰囲気がある。そこでみんなが話していることが世の中の潮流。そこがスタート地点になる。そこに自分の個性を付け足していく。

プロフェッショナルの集まりに参加する。移動には時間もお金もかかるけれど、頻繁に行くように心掛けている。

そういえば、今から15年くらい前に、高校生の女子生徒に以下のような相談をされたことがある。

女子生徒『先生、私、お医者さんと結婚したいのですが、どうすればいいですか?』
私『医者になればいい。そしたらお医者さんにいっぱい会えるよ』
女子生徒はポカ〜ンとしていた。

お医者さんと結婚する近道はお医者さんになること。プロフェッショナルになるにはプロフェッショナルに会うこと。極々、当たり前。

ところであの女子生徒、お医者さんになったかな?


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