睡眠時無呼吸症候群がCPAPで劇的に改善した話
結論
重度の睡眠時無呼吸症候群で酷い眠気に悩まされていたが、CPAPを使うようになってすぐに劇的に改善したという話です。
睡眠時無呼吸症候群と診断された話
私は今年の7月に睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
元々10年近く前から実家に帰った時などには親から「いびきが凄い」「息が止まってる」と言われていましたが、一人暮らしなのもあって別段それでなにか困ってるわけでもないしと放置していました。
確かに普段から常に体調が何となく悪くていつも疲れているような感じはしていましたが、まぁ酒もよく飲むし、運動不足だし、そういった不摂生のせいだろうと思っていました。
しかし今年のGW明けごろから異変が起こり始めました。
午前中も午後も極度の眠気に襲われて、とてもじゃないですが仕事なんてできないという状態になってしまったのです。
正確には「眠い」なんていう物じゃありませんでした。毎日11時ごろには気が付いたら意識が無かったという状態になります。そこで少し身体を動かしたり食事をしたりすると一時的には良くなりますが、またお昼過ぎになれば同じ状態に陥ります。そこから16時か17時ぐらいまではもう完全に屍です。全リソースを眠気との戦いに振り向けなければなりません。その間、誇張抜きで仕事は一切できません。書類の1文字も打てません。ただただ歯を食いしばって、それでも1分に1回ぐらいのペースでは意識が飛ぶ状態です。
最初は一時的に疲れがたまっているのだろうと思い、疲労回復向けのサプリメントを飲んだりもしました。確かに疲労自体には結構効果があったと思うのですが、それでも眠気は収まりませんでした。
当時も別に睡眠時間自体が短かったわけでもなかったので、完全に参ってしまいました。
偶然にもこの間は業務の谷間に入って仕事が殆ど無く暇な時期だったので何とかなってはいましたが、しかしいつまでもその状態を続けるわけにはいきません。人間らしい生活が送れないわけですから。
ということで6月末か7月頭頃に病院に行き、自宅に検査キットが届いて使用したところ、正式に睡眠時無呼吸症候群だと診断されました。
しかも、かなりの重度であると。
1時間の間に10秒以上息が止まったor浅くなった回数をAHIというそうですが、このAHIが5以上で睡眠時無呼吸症候群と診断されるそうです。
15までが軽度で、30までが中度、30以上が重度とのこと。
その値が、私はなんと80を超えていました。
しかも一晩(大体7時間睡眠)のうち、息が止まっていた時間の合計が150分超。コロナでよく聞くようになった酸素飽和度SpO2はほぼ常に90%を切っており、最も低い時で75%まで下がっていました。
ここまで酸素が足りていないと、とてもじゃないですが「寝ている」とは言い難いですよね。
死なないために必死に呼吸をしようとしているので脳は興奮しっぱなし。確かに夜中に何度も何度も目覚めるし、無意識に苦しくて起き上がって座ったまま寝ているという事もよくありました。
調べてみると、重度の睡眠時無呼吸症候群の患者が治療をしなかった場合、8年間での死亡率が約40%にも達するそうです。
現在32歳の私が40歳までに死ぬ確率が40%・・・流石にシャレになりません。
電車通勤なので普段は車を運転したりはしないし、工場で機械を扱ったりするのとは違いデスクワークの仕事だったので良かったですが、意識を失うことによる大事故だってあり得たわけですから、実はとんでもない状態に陥っていたというのをようやく自覚したわけです。
CPAPを使うようになって
さて、重度の睡眠時無呼吸症候群の治療にはCPAPという機械を使います。
これは簡単に言えば、睡眠時に鼻にホースのような太いチューブの繋がったマスクをつけて、圧をかけて空気を押し込む機械です。
呼吸が止まるのは喉の奥で舌の根元が喉に落ち込むことで気道が塞がってしまうからですが、そこで圧をかけることで強引に空気の通り道を作り呼吸を確保するわけです。
8月頭にCPAPが届き、早速使用を開始しました。
マスクはそんなに違和感はなく、また空気を押し込まれても別に息がしづらいという事はありませんでした。
その状態で口を開くと鼻から入った空気が勝手に口から洩れていくので不思議な感じはしますが、人は寝る時には勝手に口が閉じるものらしく、問題にはなりません。
CPAPを初めて使った翌日、いきなり効果を実感します。
なんと、毎日毎日意識が飛ぶほど眠かったのに、全く眠くならないのです。
いや正確に言うと、仕事が退屈で眠くなるという事はよくありますよね?精々あの程度で、昼前後に生あくびが出るというレベルになったのです。
そもそも今まであくびをする以前に意識を失っていたのですから物凄い変化でした。
その後も今まで2週間弱使っていますが、仕事中に眠いと感じることがほぼなくなりました。意識が飛ぶことも一度もありません。
唯一困った点として、寝返りが打ちづらいために寝起きは身体がとても痛いというのが挙げられます。
元々私はうつ伏せで寝ることが多かったのですが、マスクをしているとそうもいきません。その上にホースで繋がれているのでゴロゴロと転がりにくいのだと思われます。朝になると腰の痛みに辟易する日々ですが、それでもあの地獄のような眠気よりは遥かにマシだし、そのうち仰向けでの睡眠にも慣れていくでしょう。
CPAPを使用する際は、月に1回程度病院に通院してそこでレンタル料を支払うことになっています。
自動的に記録が取られてネット回線で病院に送られているらしいのですが、その結果を見るとCPAPを使ってからは前述のAHIが約2まで低下していました。5以下ですから正常値です。やはり数値上も改善しているのが明白でした。
最後に
最初の方に述べた通り、私は10年ぐらい前には呼吸が止まるのを指摘されていました。
今ほど重症ではないにせよ、ずっとまともに眠れない状態で生きてきたわけです。
そしてそれが改善された結果、日中の眠気だけではなくそもそもの体調がかなり回復したように感じます。要はいつも元気なのです。
正直、普通に眠れる人ってこんなに普段元気に生きてるのかと驚くほどです。
ですからもし私のほかにも睡眠時無呼吸症候群が疑われる人はすぐに検査を受けて、必要ならCPAPを使用することを勧めます。はっきりとQoLが変化します。月に5000円弱ほどかかりますが、それでこの元気な体が手に入るなら私は安いものだと思います。
それに睡眠時無呼吸症候群の大きな要因が「肥満」ですが、ダイエットしようと思ってもそもそも常に疲労と眠気に苛まれている状態で運動なんて出来ないし、食事もとにかく疲れをとるために糖分やカロリーの高いものを取って凌ぐしかなくなってしまうので、どんどん悪循環に陥ってしまっていました。
CPAPを使うことで体力と精神に余裕が生まれてきたので、今はようやく体調にも気を使えるようになってきました。そういう意味でも早めのCPAPをお勧めします。
ということで、睡眠時無呼吸症候群とCPAPの体験談でした。
同じように苦しんでいる人の参考になれば。