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金融マーケット 週末トピックス

🇺🇸米国

投資家はFRB当局が4年前よりもはるかに厳しい立場に置かれていると認識
▶︎ 経済は2倍のペースで急成長
▶︎ 賃金も急上昇
▶︎ 1月CPIは前年同月比7.5%上昇(40年ぶりの高い伸び)
・これらの結果は市場予想よりも大幅な利上げを当局に強いる可能性がある
・金融緩和の局面を通じて資産価格の上昇に慣れてきた株式や債券の投資家は、一段の損失に見舞われる恐れがある
Bloomberg

FRB当局者にとっては前倒しで大幅な利上げに踏み切ることでインフレに鈍化の兆しが出れば...
・年内に利上げペースを落とす余地が広がるのか?
・それとも市場でさらに大幅な利上げ機運が高まり(催促相場)かえって混乱を招くのか?
▶︎ 利点とコストの間でバランスを取る必要が生じる

※ 懸念事項は力強い経済が家賃や賃金を押し上げており、供給網に絡む混乱や車などのモノ不足が解消してもインフレが高止まりすること
WSJ

2月UM消費者感度指数61.7(速報値)は前月に続いて低下(約10年ぶりの低水準)
▶︎ インフレ懸念が強まり家計状況に対する認識が悪化
▶︎ 家計状況の悪化を見込むとの回答比率は26%(1980年以来の高水準)
▶︎ インフレ高進が家計のバランスシートに悪影響を与えていることを露呈
▶︎ バイデン大統領の政策に対する否定的な見方も増加
▶︎ 経済政策の不手際に言及した人の割合は51%(2014年以来の高水準)
▶︎ 今後5年での暮らし向きの悪化を見込む回答者は全体の2/3
▶︎ 長期見通しが10年ぶりの水準に悪化していることを露呈
Bloomberg

リンゼー元FRB理事
「来年末までのリセッション確率50%超、米金融市場での相場急落がきっかけになる」
サマーズ元財務長官
「インフレに対してFEDはかなり後手に回っている」
「今後30カ月の間にリセッションに陥るリスクは確実に50%はある」
Bloomberg

🇬🇧英国

英国経済は2021年に7.5%成長し、パンデミックの制限が活動を抑制した2020年の歴史的な9.4%の急落から回復
▶︎ 4Q GDPは前期比+1.0%の増加
▶︎ 11月当初に恐れられていたオミクロン株による重大な後退はなかった
▶︎ 但し4Qの経済生産高はパンデミック前の水準(2019年4Q)を0.4%下回っている
▶︎ BOEはインフレが4月に7.2%でピークに達すると予想
▶︎ BOEは2004年以来の2会合連続利上げを実施、更に3会合連続利上げも視野に
▶︎ エネルギー規制当局はエネルギー価格の高騰により、価格上限を4/1から年間£693(約108,000円)引き上げ
▶︎ 何百万もの世帯がさらなる負担を負おう(英国民悲痛な叫び)
▶︎ BOEもGDP成長率の予測を大幅に引き下げ
▶︎ インフレの影響により2022年の経済成長率は以前の5%ではなく3.75%になる可能性
CNBC

ベイリーBOE総裁とピルチーフエコノミスト(前回会合で25bp投票の5人中の2人, 残り4人は50bp投票)はいずれも大幅な利上げに否定的で、漸進的なアプローチを支持すると表明しているが...
・短期金融市場は5月までに合計75bpの利上げが行われることを織り込みつつある
▶︎ この予測の実現には3/17・5/5のMPCで50bpと25bpの利上げ決定が必要
・BOEは1997年に独立性を保証されて以来50bpの利上げ決定の実績はない
▶︎ 実施されればBOE初となる

🇩🇪ドイツ

2/11(金)発表のCPIは前年同月比+4.9%, 前月比+0.4%と前回&予想値と同じであったが...
・WPI(卸売物価指数)は主に原材料と中間製品価格に牽引され、前年同月比+16.2%, 前月比+2.3%と共に前回値↑触れ
※ 卸売物価はその後、小売価格に反映される為...
▶︎ インフレ圧力の上昇はキープされている模様
▶︎ ラガルドECB総裁はインフレに対し、今尚やや楽観姿勢気味だが数字的には厳しい状況続く

🇷🇺ロシア
ロシアがウクライナに侵攻し西側諸国が厳しい対ロ制裁に踏み切れば、1989年ベルリンの壁崩壊で始まった東西両陣営の経済融合崩壊プロセスは劇的に加速する
・そうすると世界は事実上、「ロシアと中国による経済圏」と市場原理を基盤とする「西側民主主義諸国の経済圏」の2つに分断される

・しかし欧州はロシア産天然ガスを失えば短期的には深刻な打撃を受ける
▶︎ 液化天然ガス(LNG)で代用するためのインフラも供給元もない為
▶︎ 但し米国からのLNGの急激な輸入増(ロシア産の2倍のLNG)が安全弁になっている
▶︎ 更に欧州のガス消費量は脱炭素化により2030年代までに大幅に減少するとみられる
▶︎ 一方のロシアは欧州への依存度軽減を目指しシベリアから中国へのパイプラインを2019年に開通させており、2本目のパイプライン敷設計画を推進している最中
・ロシアは制裁措置を受けても、豊富な外貨準備・能力の高い中央銀行・低水準の政府債務により最悪の影響を回避できるだろうが、後に市場経済は他地域の成長から後れを取ることになる
WSJ

バイデン大統領とプーチン大統領は2/12(土)ウクライナ情勢を巡って電話で約1時間会談したものの、緊張緩和に向け事態が大きく動くことはなかった
バイデン🇺🇸大統領
「ロシアがウクライナに侵攻すれば、西側諸国は断固として対応する」
プーチン🇷🇺大統領
「同国の主要懸念が考慮されていない」
「NATOの不拡大やウクライナに攻撃兵器を配備しない等の要求について、実質的な回答を得ていない」
プラスαの
マクロン🇫🇷大統領(関係筋)
「ロシアがウクライナへの攻撃を準備している兆候はなかった」
「だが最悪の事態を避ける為、ロシア軍の動向を極めて高いレベルで警戒している」

※ 米国務省は2/12(土)在ウクライナ大使館職員に避難を命じる
※ 国防総省も訓練教官約150人の避難を発表
※ ロシア政府はウクライナや第3国による挑発行為の可能性があるとし、現地にいる外交スタッフの規模を適正化すると発表(大使館等の基本的な機能は残す)
Reuters

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