暗号資産信託の解説
三菱UFJ信託銀行とGincoの暗号資産信託のニュースを理解できた方いますか??
https://www.coindeskjapan.com/199510/?utm_source=twitter&utm_medium=ifttt
多くの方が「???」となっていると思い、このプレスリリースの内容について解説してみますね。
(ちなみに僕もすぐに理解できずCoinDeskの記事を2回読みました)
暗号資産の販売はNG
![](https://assets.st-note.com/img/1693496571168-f8GyxHG8Vg.png?width=1200)
まず、前提として暗号資産交換業のライセンスをもってないと暗号資産の販売はできない。
暗号資産交換業者は現在29社。ライセンス取得は猛烈に難しいと言われている。
つまり、一般事業会社は取得するのは事実上不可能。ノンライセンスで暗号資産を投資家に販売すれば資金決済法違反となる。
であれば、事業会社が暗号資産を自社のビジネスに絡めようとすると暗号資産交換業のライセンスを持った暗号資産取引所を介して投資家に暗号資産を販売する必要がある。
これは面倒なので、暗号資産発行者と投資家の間に信託銀行が入るというのが今回の暗号資産信託スキーム。
暗号資産信託スキームの解説
スキームを以下で説明する。
![](https://assets.st-note.com/img/1693496729045-3veSaANK7k.png?width=1200)
暗号資産発行者は暗号資産を信託銀行に信託する。
そして信託銀行は信託財産である暗号資産を適切に保管するとともに、その信託受益権を投資家に譲渡する。
投資家に譲渡するのは暗号資産そのものではなく暗号資産を信託した信託受益権であるため、資金決済法に抵触しない。
投資家は暗号資産そのものに投資をすることはできないが、暗号資産の信託受益権に投資可能となることで、暗号資産に対する投資と同様の経済実態を確保することができる。
2022年10月に「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」が改正されたことにより信託銀行がカストディ業務を行うことが可能になったため、このスキームが実現可能になった。
加えて、令和5年税制改正により自社で発行し、継続して自社で保有する暗号資産に関して時価評価課税が免除された。
これにより信託された暗号資産に関しても時価評価課税の対象外となることでこのスキームの後押しになった。