株式会社において資本家からお金を集める際に発行される株式。
トランプ大統領誕生以来爆上げしているビットコインなどの暗号資産に代表されるトークン。
この2つの違いを理解している人はどれほどいるだろうか?
これを説明する上でいくつか切り口はあるが、本noteでは株主としての権利である「議決権の有無」と「配当の有無」の2軸4象限で切って解説したい。
株式とトークンの分類
株式とは「均等に細分化された割合的単位の形を取る株式会社の社員としての地位」であると定義されている。
端的に言うと、株式は株式会社の区分所有権であり、株主は株式会社の所有者として、、、
①経営に参画する権利
②事業収益の分配を受け取れる権利
を有する。
①を議決権と呼び、②を配当請求権と呼ぶが、これらの権利を有するのが株式の特徴である。
他方で、トークンとは一般的には
①事業に参画する権利を有するものではなく、
②また、事業から得られた収益の分配を受け取ることができない。
仮に、事業から得られた収益の分配を受け取ることができるようにスマートコントラクトで設計されたトークンがあるとすれば、それは株と同様の性質を有するため、法的には株式と同様に取り扱われることになる(セキュリティトークンと言ったりする)。
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ちなみに、カブアンドの株は?
ユーザーに株式を配る前澤さんが始めたカブアンドピース社。
このカブアンドピース社がユーザーに配る株式はやや特殊で、事業収益の配当はあるが、会社経営に参画する議決権については制限を掛けている。
カブアンド社が上場することで普通株式に転換されることが目論見書に書かれているので、上場するまではユーザー株主は議決権を有していないことになる。
これは特に上場前の初期フェーズにおいて創業株主でもある前澤さんが個人で決定する方が意思決定のスピード及び精度共に上がるからこのような設計にしていると思われる。
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株とトークンの価値の源泉は?
株式の価値の源泉は分かりやすい。株式は事業収益の分配を受け取れる権限なので、将来受け取れるであろう配当の期待値こそ株式の価値の源泉である。
つまり、事業がもたらすキャッシュフローに価値が裏付けられていると言える。
一方で、トークンは事業収益から分配を受け取れる権利がないため、資産的な裏付けを持って経済的価値を説明することができない。
トークンの価値は「日本円には何で価値があるのか?」という問いに近く、将来取引の媒体として使うことができる、もしくは価値の保存として機能するといった価値を多くの人が信じているから価値があるのであるという共同幻想である。