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美容師、人材、会社組織、社会貢献について思うこと

ACQUAでは今年も来年の新卒の募集が始まった

コロナ禍において新卒の採用を控えるサロンも多いと聞く
経営難で苦渋の決断に迫られ、採用した新卒に入社後すぐ退社を促したサロンもある

私達ACQUAでは幸い昨年も今年も新人が入社できた
そして来年も新人が入社できるよう努力をしている

毎年毎年、新たな仲間が入っているのに、組織として大きくなり続けるのは容易ではないと痛感している

入ってくる仲間だけではなく、残念ながら去っていく仲間もいるからだ

せっかく同じ時間を共有してきたのに、ある時プイッと他サロンに行ってしまう、美容師をやめてしまう
シンプルにうちの魅力より、他サロンや異業種の魅力の方が上回ったというだけ
悲しいが、スタッフの心境の変化は他人が否定する事ではない

雇用する側と、雇用される側の関係は、彼氏と彼女の男女関係と同じだと思っている
結局愛想尽かされた方(会社)が100%悪いので、愛想を尽かした方(スタッフ)に否はない
スタッフが「辞めたい」となってから必死に引き止めても時既に遅し
そうなる前にもっと時間を割き、愛情持って気遣うべきなのだ

それでも私は立場上、最後の最後までネチっこく引き止めなければならないのが辛い
彼女はもうすでに他の男(次の職場)の事で頭が一杯なのに
「別れないで〜(;ω;)」って

あーやだやだ、みっともないったらありゃしない、ITOのポリシーに反する
本当なら
「そっか、ごめんな、ここで夢を叶えさせてあげられなくて」
「でも他所で幸せになれよな!」
と、去る者追わず。コレが本心


スタッフ退社の理由は色々あるが、人間関係も大きな要素

ヘアサロンという場所に人が集まり社会を形成する
社会があれば協力し合い歓びもシェアできるが、人と人との摩擦によるダメージもある

特に表参道界隈のブランドサロンであれば、高い志で美容道を邁進したいという人材が集まりやすい、尖ったやつが多いのだ
するといつしか「努力して当たり前」「これぐらいはできて当たり前」という空気が醸成される

そりゃそうだ。お客様から高単価を頂くサロンなので、高い水準の仕事が求められるのは当然

ここでモチベーション高く仕事をしているスタッフには最高のステージであり、夢に向かって仕事ができる事で高揚感もあるだろう

しかし
この環境下で、少数の頑張れないスタッフもいる
(この頑張れないとは実は違うという事も後で書く)

努力しているスタッフから見たら、夢に向かって努力していないスタッフが理解できない
僕が一番やってる、私は何でもわかっている
となるから、仲間に対して”優劣”をつけてしまう

もっと努力しなよ、頑張れ、何のためにACQUAに入ったんだ
となる
ミスに対しての指導にも、ついつい語気は荒くなる

又はたとえ言われなくても、努力しているスタッフが多い中、頑張れていない自分を恥じて「自分はここにいてはいけないのでは」と退社を考える

スタッフが一人減り、二人減り、と徐々に少なくなると、残されたメンバーに負担がかかる
受け皿が小さくなるとお客様にとっても迷惑だ
仲間が一人でも減る事は悪循環なのだ
誰も幸せにしない


社会における会社の役割を考えると

ACQUAの最大の社会貢献は
「ACQUAを信頼して来店いただいたお客様に、最高のサービスを提供する事」
「最高のサービスが提供できる美容師の育成」
となりやすいが

その前に

そもそも「会社」の社会貢献、存在意義とは
雇用を生み、それを継続する事が社会貢献の根本であり
株主やカスタマーが最優先であってはならない

これが条件として存在したうえで
雇用創出を継続するために尽くした結果
株主やカスタマーに還元される
これが社会貢献を語る上で正しい順番だと私は思う

雇用する側とされる側、働き方の認識に関しても確認しておく

雇用する側は、雇用される側の拘束時間に対して賃金が発生しているのであり
労働に対して賃金が発生しているわけではない

ここを意外とわかっていない人だらけ

スタッフは拘束時間の中で、仕事をしない権利、サボる権利、努力しない権利がある
しかし皆がそれでは会社運営に支障をきたす、働く側も成長がなければ面白くもなんともない

そんなスタッフのモチベーションを上げ、楽しく働いてもらえるようコントロールするのが、上司であり会社の役割であり
それができないのは、サボるスタッフが悪いのではなく
楽しく働かせる事ができない上司や経営者の力不足であり、人を見誤っている事が原因

部下のことをポンコツ扱いする前に
上司はむしろ自らの無能さを反省すべき
部下の「良さ」を活かせてこそ有能な上司なのだ

基本的な考え方を共有し、組織全体のマインドを案定させる
そして雇用を生む、継続する
この最低条件を満たした上で
そこで初めて

「最高のスタッフ教育をする」
「顧客満足度を上げる」
「上質な美を提供する」
「売り上げ目標達成!」

などと高い志が掲げられるのだ


前に書いた「頑張れない」スタッフとは、決して頑張れないのではない
本当は頑張っているのに、周りが頑張りを見てあげられていない
その頑張りを労う仲間がいないのだ
そうしている間にモチベーションが下がってしまう

又はその時たまたまボーッとしていてミスが続き、それがそのスタッフのポテンシャル、人間性へと変換されてしまう
その結果「使えない」となる

教育という名の下で
「使えない」などと他者を傷つけ排除する優生思想がまかり通る組織などは、最低以下の会社であって、社会に存在してはいけない

「居てくれているだけでありがとう」「君が楽しく働けるように会社は君に協力するよ」
とならなければ会社、ACQUAの存在意義は無いのだ

人材は「優」「劣」の二元論で語れるほど単純ではない
多様性を認め、かつそのバリエーションに富んだ人材を最大限に活かすことができる
懐の深いACQUAでありたい


こんな事を強く感じ始めたのは、私も齢48でやっとですよ
40を越えて人に対して直接は怒らなくなったが、30代までは何人の仲間を傷つけ、ヤル気をそいできたか
でもだからわかる
今の部下たちが、今どのステージにいるのかが
最前線で突っ走っているヤツに、周りを気遣う事などなかなかできない
自分の仕事に拘りを持ち、一心不乱に夢へ向かっているから結果が出せているのだ

昔のことだが
20代でドップリ美容漬けだった私ITOは、疲れてドロップアウトしたい旨を当時の上司に伝えた
その時に言われた事

「お前はお花を摘みながらゆっくりニコニコ散歩をしたいのか?それとも鼻水や涙を流しながら景色など見る余裕などない、でも勝利にひたすら向かうマラソンランナーになりたいのか?」

この言葉で私は今でも美容師を続けている
その当時の私はマラソンランナーを選び正解だったが、その例えでITOを奮い立たせた上司のセンスを心底尊敬した

(↑この上司は去っていったが…)

今、私の部下たちはマラソンランナーで、鼻水や涙を流しながら走っている
しかし、とてつもなく輝いている。今はそれで良い

これから考えなければならないサロン作りは、マラソンランナーだけではダメなのだ

「お花を摘みながらゆっくりニコニコ散歩をしたい」仲間にも居てもらいたいし、その良さも認めてあげたい
沿道で手を振り、マラソンランナーを応援する観客も必要だろう
マラソンランナーも時には走れなくなり歩いても良い
会社とは全ての人を包み込む、風景の様でなければならないのだ

最前線のトップランナーがサポートしきれない部分は、全体を俯瞰できる我々ベテランがフォローしなくてはならない
そのためには、より組織論や美容哲学を追求し、周りに啓蒙していかなければならないと思っている

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2016年に私が書いたblogを転載する↓↓↓


私たちはなぜ「ACQUA」なのか?
 
「上善は水の如し」という教えがACQUAという社名の由来です。
「上善如水」とは、古代中国の哲学者である老子が残した言葉だと伝えられています。
「上善」とは、最も理想的な生き方で、そんな生き方をしたいと願うのであれば水のあり方に学べというものです。

「水」には学ぶことができる三つの特徴があります。
 
一つ目は、その柔軟な性質です

四角な器に入れれば四角な形に収まり、丸い器に入れれば丸く収まります。
ACQUAは時代に合わせ人それぞれの美容にお応えするために、頑なでなく囚われない、器に逆らわず形を変えられる水の柔軟性に学びます。
 
二つ目は、謙虚さです

人は常に自分を他人と比較して、自分の立場を他人より低いところにおくことを嫌がります。
水は高い所から低い所へ自然に流れます。自分の能力や地位を誇示しようとせず、他人の嫌がる低いところにすすんで身をおきます。
美容業を通じて社会に貢献できるように、私たちも水のような謙虚な姿勢でありたいものです。
 
三つ目は、内なる大きな力を秘めています

私たちACQUAスタッフ一人一人が一滴の水です、
一滴の水は雨となって地上に降ります。最初は僅な清水から細い源流が生まれ、それが交わりいくつかの小川になります。
緩やかな流れは、人の心を癒す力を持っています。また速い流れは、硬い岩をも砕く力強い力も持っています。
長い時間を経た清流は、自然を育み人々に文化をもたらしながら、やがて大河となり海へ流れ込みます。
海は力強く、多様性を許容するおおらかさもある。水は偉大なる生命の源です。
 
地球の表面積の70%が水、人間の体内70%も水
水は地球や生命にとってかけがえのないものです。
 
「柔軟」「謙虚」「秘めたるエネルギー」の三つの特徴に習いながら、私たちACQUAも理想のヘアサロンを目指します。
一滴一滴が集まって大きな力になる。社会に豊かさをもたらす存在であれますように、ACQUAというブランド名に恥じぬよう常に精進し続けます。
 

2016 ITO

http://acqua.co.jp/blog/7858.html

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↑↑↑

このコンセプトストーリーをスタッフ一人一人が忘れちゃダメなの

じゃないと…
甲斐性のない男(会社)に愛想を尽かして、彼女(スタッフ)にプイッと逃げられるから

美容師もね、毎日毎日がわちゃわちゃと悩ましいのですよ

良いサロンにするために、こうして全スタッフが試行錯誤し進化している

組織として、この生々しさが、躍動感が、純粋に美しい

うちは良い会社だ

今年も新たな仲間がたくさん集まりますように!


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6月 ITOのサロンワークスケジュールのお知らせです。

6/6(日) 16:00〜出勤
6/12(土) 14:00〜不在

当日になり夜の予約がない場合には、ITOは夜の営業を不在にする事があります。夜の予約がご希望であれば、なるべく前日までに予約を入れていただく事をお勧めします

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皆さまのお越しを、スタッフ一同心よりお待ちしております。
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