柿の葉も濡れる
今年は雨が多めの秋かもしれない。
稲刈りの日程も雨の様子を見ながら、二日待っては一日動き、
また三日待ってから二日動いたりしていた。
気まぐれな天候に自分の予定を合わせていると、
こっちも気まぐれな気持ちになってきて、
普段歩かない山の小道を歩いてみた。
朝は晴れていたけど、午後からは天気予報通りの雨。
雨音が響くほどの雨ではない。
少しくらい濡れたっていいやと道を進み続ける。
雨で薄暗かったせいか、山全体の緑が、実もまだ黄色くない柿の木に覆いかぶさっていた。それでも、雨で濡れた柿はくっきりと輪郭を保つ。
柿の実を選ぶのもそこそこに、柿の葉ばかりに目が移ってしまう。
まばらで曖昧な色の移ろいも、濡れていると鮮明に見えてくる。
明日に離島キッチン海士で出す和食箱膳の、あしらいとして使おうと思った。