総選挙の模擬選挙(大学生向け)
総選挙は、いつ行われるか直前までわからず、模擬選挙を設定しようにも、十分な時間を取ることができないことが多いと思われます。
令和6年(2024年)10月27日の総選挙の投票日の前、10月25日(木)に東洋大学赤羽台キャンパスで行われた林大介先生の講義で、模擬選挙を内容とするものを傍聴しました。その中からワークショップ的要素を中心に抽出したものを、総選挙時の模擬選挙の例として示し、今後の様々な設定での模擬選挙の実施の参考にしていただければと考えました。(要素の抽出ということで、実際の林先生の講義内容とは若干異なるところもあります。)
講義は、教職を目指す大学1、2年生を対象とした講義(特別活動と総合的な学習の時間の指導法)で、18歳、19歳の有権者を中心としたものでした。
1.ワークショップ1
前回の講義で宿題として出されていたもので、集計したものが印刷して配付されました。100人を超える受講生からかなり内容のある回答が示されていました。
(1)自分の総選挙の小選挙区どこですか。
(2)あなたの選挙区で立候補している候補者(小選挙区)の中で、気になる候補者は誰ですか。
(3)総選挙について誰と、
(4)どんな話をしましたか。
2.ワークショップ2
(1)公園に新たな設備を設置する場合、今(大学生)選ぶならどれ?
①:遊具を設置or 最新のものと入れ替え
②:ベンチを複数設置
③:夜間照明を設置
④:広いグランドを整備
どれを選ぶか。
・グループでの意見交換。仲間と、自分はこれではないかと話す。
・挙手による集計。
・①→18、②→9、③→32、④→28。(目視による概数)
・何番選んだのかの理由を指名して述べてもらう。
(2)(1)の問いを、A:大学生ならの回答を聞いたが、B:小学校4年生なら、C:3歳児の子どもの親だったら、D:高齢者だったら、と考えて回答する。
この差をどう考えるか。立場の違いにより選択は異なることを認識する。
(3)小4の声はどうなるか、子どもの声をどうやって届ければ良いか。
総合的な学習の時間では、こどもも地域の市民として扱う授業案を考える必要がある。立場によって選択は違うことを確認。中学生、高校生の声を届けることをどうサポートすれば良いか。有権者ではないが、主権者であるこども達の声の扱いについて考える。
3.講義
(1)若年層の低投票率
・直近の参議院議員通常選挙(令和4年)
・・・60歳代:65.69%、10歳代:35.42%、20歳代:33.99%。
・直近の衆議院総選挙(令和3年)
・・・60歳代:71.43%、10歳代:43.21%、20歳代:36.50%。
(2)年代別の「有権者」と「投票者」の割合
・年代別の「有権者」と「投票者」の割合
4.ワークショップ3
(1)選挙公報(比例区用)から、各政党の政策を見る。
(2)ボートマッチをやってみる。
教室内で、スマホの使用が認められており、その場で5分~10分で各自行える。自分の小選挙区の候補者とのボートマッチもできるようになっているものもある。
えらぼーと2024(毎日新聞)(25問)…選挙区の候補者や政党との相性。
ヤフー政党との相性診断(10問)…政党との相性。
NHK衆議院総選挙2024ボートマッチ(25問)…選挙区の候補者との相性。
5.模擬選挙
各自、模擬選挙の投票用紙に記入し、選管から借りて来た投票箱に投票。
6.感想
ボートマッチを上手く利用することで、短時間で集中的に模擬選挙のワークショップを実施することができていると思いました。
ギガスクールで小学校から端末が配られていますが、ボートマッチを私もやってみると、設問がやや難しいので、未成年者がやるには設問の内容について若干解説が必要となるかなぁと思いました。
総選挙時の模擬選挙の参考になればと思い、記させてもらいました。