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不思議な話29「昔の家5」
兄が高校生の時、毎年大晦日から元旦に「年越し稽古」という、剣道部の恒例行事がありました。
兄だけでなく、母も保護者として手伝いに行ってしまうので、私はお留守番でした。
両親の離婚前は、とりあえず父がいましたが、私が高校1年生のときは、父がいないので人生初めて、夜にひとりでもお留守番になりました。
私は、母に大丈夫とは言ったものの、怖くて仕方がないありませんでした。
いよいよ母と兄を送り出し、車が出ていったのを確認してから、まず家中の電気をつけていきました。
暗いと怖いので、トイレもお風呂もわすれずにつけていきました。
そして、寝室で寝れるわけもなく、とりあえず2人がかえってくるまで、居間でテレビを見て過ごすことにしました。
特になにもおこらず、順調にお留守番の時間をクリアしていきました。
そして、紅白も盛り上がってきた頃、なにげにベランダの方を見ると、カーテンが少し空いていて外が見えました。
見なければいいのに、みてしまいました。
そとに、オレンジ系のマドラスチェックが視界に入りました。
時間は覚えていませんが、夜ですので当然洗濯物は、母が全て取り込んでいています。
そもそも、当時流行っていた記憶があるのですが、母も私もオレンジ系のマドラスチェックの服などはもっていません。
そして、当時の自宅は4階で角部屋ですが、電柱もなにもありません。
あったとしても、ヒラヒラした服で上がってくることはできないと思います。
しばらくすると消えていました。
勇気を振り絞って、カーテンを閉めに行きました。
そもそも、電気をつけてまわった時にカーテンも閉めています。
なんで空いていたんでしょうね。
その後は何事もなく過ぎていき、朝方に母と兄がかえってきて、すべての電気がついていることと、起きていることに、こっぴどくしかられました。
それでも、やっと緊張から解放されて安心したのを覚えています。