「日常の交差点」にて
「ジューッ」。18時になり、オレンジの光が差し込む焼肉店の個室を、最初の肉を焼く音が包み込んだ。大学を卒業後、こうして2〜3ヶ月に1度、同じ学科を卒業した野郎3人で”肉会”を開催している。今回で10を数える”肉会”だが、学生時代はこの3人で集まることは皆無で、今更初めて知ることも多い。僕が居なかった9ヶ月を除き一度も休まず、定期的に其々のモラトリアムのその後を報告しあっては、恒久普遍に見える日常とかいうものの中身を覗き、目まぐるしく変化し続ける現実を確認し、またそれぞれの日