【2024年11月6日号】イーロン・マスク、Grok AIでの医療画像診断に参入示唆。裏目的は医療画像収集?
11/5の国内・海外のヘルステックニュースで気になる記事をピックアップし、一言解説
日)11/5:各病院でばらばらの電子カルテのデータ規格を自動で国際標準にそろえ、蓄積できるシステムを開発
医薬基盤・健康・栄養研究所や大阪国際がんセンター(大阪市)などの研究チームは、各病院でばらばらの電子カルテのデータの規格を自動で国際標準にそろえ、蓄積できるシステムを開発。
国際標準規格はFHIRのことで、1990年代から民間の電子カルテ会社、主にNECや富士通などのベンダーが開発している電子カルテが国際標準規格に未対応。
標準規格に対応したら異なる電子カルテ間のデータの受け渡しはスムーズになるものの、逆に顧客が他の電子カルテにスイッチングしやすくなるため、ベンダーロックインしている状況。また、データを結合した後の二次利用活用でどのようにデータビジネスを構築していくかは、電子カルテの開発提供によるビジネスとは毛色が異なるため、電子カルテベンダーにはノウハウがない。ゆえに、電子カルテベンダーには標準規格にわざわざ開発コストをかけて対応するインセンティブがない。
本来であれば各ベンダーがFHIRに対応した電子カルテを改良版として開発提供すれば良いのだが、そうはならないのが現状なので、このようなFHIRヘのマッピングシステムを別で開発し提供するサービスが出てくる。
FHIR準拠に関しては、20年以上前から国内で叫ばれていたことだが、結局進まないまま今に至る。ただここ数年でデジタル庁が発足してマイナ保険証の導入を進めるなど政府が本腰を上げてきており、 FHIR準拠の標準電子カルテを2030年までに整えることを本気で?目指しているという点で政府からの要請・後押しもある状況。
ちなみに、FHIR規格とFHIR規格に準拠する際に具体的にどのようなシステムを設計、実装する必要があるかに関しては、こちらの記事で記載したので、ご興味ある方はご参考ください。
ちなみに、Salesforceなど海外のビッグテック企業も電子カルテのデータをFHIRにマッピングするツールを提供していたりする。こうしたツールの提供が出てくること自体、本末転倒ではあるのだが、システム間でどうしても野放しのために結合できない状況から生まれてくるのも仕方ないとも言える。
日)11/5:メディカルリンク「2024年度 医療DX 業界カオスマップ」を公開
医療機関向け採用サイト制作による採用支援事業を展開する株式会社メディカルリンクが、医療業界のDXに関連するサービス・ツールをまとめた「2024年度 医療DX 業界カオスマップ」を公開
医療DXは具体的には、「自動精算機・電子カルテ・診療効率化・予約システム・勤怠管理・Web集患」の6つを対象。
こちらに関しては、カオスマップの内容自体と、カオスマップを作成する企業の意図について記載したいと思う(言いたい放題のあくまで個人の見解です)。
カオスマップの内容自体に関して
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