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【メルプのリアル】第4話:友人が立ち上げたクリニックの現場で感じた紙問診の課題
この連載記事では、当時ビジネスを全く知らなかった私(かず)が、初めて医療業界のSaaS「メルプWEB問診」を立ち上げて、約3年後に約200医療機関にサービスを導入した0→1終了のタイミングで2020年に株式会社JMDCに売却するまでの話です。当時、何を考えていたのか、失敗したこと、うまくいったことを振り返っていきます。圧倒的にリアルで生々しい、メルプのリアルを、共に見ていきましょう。
前話までのあらすじ
主人公、かずは、医学部6年生の時に医療系のアプリ開発コンテストに参加し、そこで、後のメルプ共同創業者兼CTOとなる片岡と出会う。その時のお薬飲み忘れ防止IoTサービスは、3年を経てクローズしチームも解散することになり、また0から出発することに。そこに学生の時の同級生で眼科医をしている水上が加わり、3人の創業メンバーになり、サービスアイデアを出し合った結果、、、
第3話はこちら>
さて、事業サービスのアイデアとして、医療機関の検索予約サービス、医師のバイトのダイレクトマッチングサービスなど他にいくつか出ていましたが、3人で話し合ったWEB問診のサービスをやることに決まりました。
MIZENクリニック豊洲の勤務で感じたこと
開業当初のクリニックに非常勤医師としてサポート
自分の現場の課題間が大きく、熱量高くサービス開発できそうだと思ったからというのが大きいです。
当時、私は、MIZENクリニック豊洲という、これまた学生時代に起業した同級生の田澤くんが立ち上げた夜間内科外来のクリニックで非常勤医師として週1回手伝っていました。
私の他にも学生時代の同級生や知り合いなどで、医師3年目の非常勤医師5名で毎日交代制で外来診療するというなかなかユニークなクリニックでした。
私は起業していたので医局には所属していなかったのですが、開業した田澤君含め他の医師は大学病院で専門医課程に進みながら、夜間は週1日クリニックの非常勤医師として働くというスタイルでした。
最近は若手医師での開業も増えてきましたが、医師で開業となると、大体は研修医終了後5-7年かけて専門医をとって、その後さらに数年研鑽を積んで、早くても40歳で開業するという感じが一般的でしたので、若干医師3年目の26歳で開業も同時進行で踏み切った田澤君の行動力すごいなと思っていました。私の起業への人生に一番影響を与えた人物ですね。
現場で感じた紙問診の課題
クリニックでは、電子カルテはクラウド型を使っていましたが、問診票は紙で運用していました。実は、裏側ではWEB問診の開発も行っていましたが、開業当初には間に合わずに、最初は紙問診で運用していました。
患者さんは待合室で紙の問診票に記入するのですが、その内容をスタッフの方がスキャナーでスキャンをして、電子カルテの該当の患者さんのフォルダに取り込みます。
そして、私がそのPDFを開いて、患者さんの問診の内容をまずは電子カルテに書き写します。そこまでの準備が終わってから患者さんを呼ぶということをしていました。
ここは、クリニックの人的リソースや医師の運用方針によっても分かれるところです。
人的リソースが潤沢なクリニックでは、紙問診に患者さんが記載した症状を、受付スタッフもしくは、シュライバーと呼ばれる医師のカルテ入力をサポートする役割の人が入力して、医師は入力しなくて、来た患者さんを診察するのみというふうに分業化して効率化しているクリニックも多いです。
また、紙問診の内容はその場で一読して確認するのみで、事前に電子カルテには記載せずに、診察室に患者さんをすぐに呼んで診察を始めて、診察した内容を後でまとめて電子カルテに記載するというスタイルの医師もいます。
ただ、当時のクリニックでは立ち上げ当初でスタッフも、知り合いの少数の看護学生で回すというスタイルでしたので、患者さんの紙問診の内容を私が事前記載していました。
また、1日40枚程度の溜まった紙の問診票を診察終了後にシュレッダーをかけてゴミを捨てていました。
夜間内科外来で診察時間が18-22時でしたので、診察終了して残りのカルテを書き上げて、スタッフと一緒にその日の売上と金銭に間違いがないかを確認して、問診をシュレッダーにかけて戸締りしてゴミ出しを23時くらいにして帰るという感じでした。
今振り返ると、よく夜遅くまでやっていたなと思います。
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例えば、こちらの左側がサンプルの紙問診票ですが、患者さんは待合室で体調が一番悪い時にこの問診票を書くことになりますので、「かぜ」「のどが痛い」など単語レベルで記入して終わるか、もしくは、用紙いっぱいに場合によっては見えないくらいビッシリ記入するという二極化していました。
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