第五十二話【晩餐】(Vol.511-520)
Vol.511
曲はクリスマスにちなんだやつと
その時の流行り。
どちらも難しい。
楽譜通りにはできないボクは
鈴をシャンシャンやって
リズムをとるって戦法だ。
職員の姉さんたちも
OKしてくれている。
ボクは小っ恥ずかしながら
その場を取り繕った。
(来年はできるようになろう)
Vol.512
職員が演奏する横で
颯爽とケンタ兄が登場する。
サングラスにジャケットを着込んで
片手にはギター???
エアですか!
AIR!
なんか即興で、パントマイム的にアコースティックなギターを披露している感じを醸し出したケンタ兄。
一気に会場が爆笑に包まれる。
さすがケンタ兄!
Vol.513
“期待に応える“ということが
いかに大切かをケンタ兄の姿を通して
学んだ。
(来年はボクも)
と密かに誓いを立てたのである。
子ども・職員の出し物が終わると
いよいよ
お待ちかねの食事タイムだ。
司会の児童が声をかけた
「それでは今からお待ちかねの食事タイムです」
Vol.514
部屋がパッと明るくなり
扉が開けられると
さささっと料理が運ばれてきた。
まるで、
竜宮城のように
周りの人は勝手がわかっているように
テーブルを出し、
クロスを敷いて回る。
その上に
数々並ぶ料理たち。
一気に気持ちも昂った。
Vol.515
この日のために、
食堂さんは朝から仕込み。
唐揚げ、ポテトといったオードブル
どれも子供たちが好きなメニューだ
野菜も添えてあり、
しっかりと栄養もある
特性フルーツカクテルも
シュワシュワ輝いている
宅配ピザとケンタッキーは外せない
地域の方からケーキの差し入れてもらった。
Vol.516
楽しい食事タイム
しかし、職員はまだ食べれない。
そう。
あくまで主役は子供たち。
そして、
来てくださった地域の方や
先生方だ。
日頃お話ができないので、
この場を使って
挨拶回り。
一通り回り終わってから
食事となる。
Vol.517
やっぱり先生方と話をするのは楽しい。
学校での様子を聞き、
学園での様子を話す。
こうやって話を重ねる度に
顔見知りになっていく
繋がりが深まり
子供たちのために
“一緒に“動ける実感が湧いてくる。
大好きなケンタッキーを横目に
ボクは先生方と話を続けるのだ。
Vol.518
楽しいクリスマス会も
そろそろ時間となってきた。
楽しい時間というのは
あっという間に過ぎるものだ。
司会の児童が終わりの言葉と一緒に
感謝の気持ちを伝える。
周りで聞いている
大人たちは
周りにいる子供たちを見つめ
ほっこりしている。
素敵な時間が流れた。
Vol.519
楽しい時間は
あっという間に過ぎて
片付けとなった。
「これで、クリスマス会を終わります。」
「また来年も楽しみにしていてください。」
会場が大きな拍手で包まれた。
終了後、子供たちは玄関に花道を作り
来てくれた方をお見送りする。
見送る子供
見送られる地域の方
みんないい笑顔
Vol.520
片付けはホントあっという間だった。
子どもたちが率先して行うのだ。
ゴミを回収する子
使った道具を片付ける子
残った食事を食堂に運ぶ子
それぞれが
大人が言われることなく
自分で動く。
中高生にはそんな姿が見られた。
(偉いな)
ボクは一人で感心していた。