#落ち葉のお喋り
サワサワサワー
カサカサカサー
ガヤガヤガヤー
この時期になると、そこらじゅうから、こんな声が聞こえてくる
落葉樹の葉が紅葉し、そして散っていく時
そして散った後、風に吹かれて流される時
隅っこに溜まった落葉の中を、まさぐる犬の爪音
落ち葉たちが、放つ音は、どことなく何かを喋っているかのように聞こえる
吹く風の強さや方向でも、違うようだ
みんなも耳を澄まして聞いてごらん
“向こうに子供達が遊んでいるから、チョットいってみようよ”
“雨樋に引っ掛かった友達は、どうしてるかなぁ?”
“もう一人の友達は、川に落ちちゃって、流されていっちゃった”
でも周りは色々なお友達で一杯だ
“昨日まで、あの髙い木の一番上にいたんだ。眺めは最高だったよ”
“僕は虫に食べられちゃって、このザマだよ”
“わたしの友達は、焼き芋を作るために燃やされて灰になっちゃった”
こんな“おしゃべり”は、昼夜を問わず暫く続いた
でも12月ともなると、雪が積もり、その底に隠れて見えなくなってしまう
時が経ち、新しい年を迎え3月になると、また今年も若い子供達が元気よく芽を出す
新緑の鮮やかな季節
木の枝の間から、卵からかえったばかりの鳥の雛が顔を覗かせている
真夏の暑い陽射しを遮ってくれる木陰
木陰の下で、汗を拭きながら佇む少年少女たち
台風からの暴風雨に負けまいと、必死にしがみつく葉っぱたち
1年ごとに毎年、変わった顔でみんなを楽しませてくれる
みんなー シー?
耳を澄ましてごらん
ほら、また落ち葉さんたちの歌声が聞こえてきたよ
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