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#1-3 カタツムリと鳥類 カルシウムをめぐる争奪戦
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」
「万物は流転す」
自然界の関係性はとても美しい。巡り巡って自分のところに返ってきたりこなかったり。因果応報。やっぱり仏教国は植物や菌類の分解と再構築を感じる瞬間が多々あり多神教が生まれた気候帯という感じがします。全ての生物は自分のために生きている。それは他の生物を殺しては生かし巡り巡る。ぼくはそんな物語が大好きだ。
街へ繰り出すカタツムリ
カタツムリがコンクリートにいる姿。見たことある人も多いと思う。幼少期、壁にへばりついているカタツムリを見て不思議な気持ちだったのを思い出す。
こいつらは暇なのか?なぜこんなところにいるだろうか?という素朴な疑問が湧いてくる。
彼らが背負ってる殻の原材料はカルシウムなので当然カルシウムをどこかで補給する必要がある。どこから外貨を稼ごうか。そりゃお金持ちになりたかったらお金がたくさんあるところに行かないといけない。目指せ東京。ぼくはビックになるんだ。Spotifyの再生履歴にはモロハばかり。地元に残った奴らと俺は違うんだって。
同じくカタツムリもカルシウムが豊富に含むコンクリートジャングルへ繰り出す。
少々のリスクは承知済み。強い殻を持つやつは強いのだから。彼らは迷わず道路や壁に繰り出していく。
カタツムリの殻は野生動物に人気
自然界においてカタツムリほどカルシウムを剥き出しにして歩くDHCサプリみたいな存在はなかなかいないのですが、セキュリティーが甘い以上彼らを狙う生物たちはたくさんいます。そのうちの一つが繁殖期の野鳥です。野鳥の卵殻の成分は、約95%が炭酸カルシウムなんですね。
繁殖期の野鳥はカルシウムを大量に含んだ食糧を積極的に摂取します。野鳥の子育てに、カルシウムがいかに大事なのかは1960年代にアメリカで問題になった農薬DDTとハヤブサの例がよく知られております。あのヤバそうな農薬ですね。レイチェルカーソンが声を上げて「沈黙の春」を書かせることになった農薬です。
DDTの代謝物には卵殻を形成する時に必要な炭酸カルシウムの量を減少させる働きがあります。猛禽類は食物連鎖の頂点にいるため、影響を受けやすいです。生体濃縮ってやつです。生体濃縮という概念は知らない人がいないほど有名な考え方ですね。DDTの影響によってはやぶさの卵の殻は通常よりも20%ほど薄くなったことが確認されています。
そのため卵を抱いて温めるときに卵が割れてしまったり、卵の内部から水分が蒸発し、正常に発育しなくなりました。
DDTによって卵が薄くなることによって、はやぶさは個体数を減少させた話。
このように野鳥の生育にとって、卵殻の厚さは極めて重要な問題なのですが歩くDHCサプリことカタツムリが意図せず鳥に与えている影響はとても大きい。
コンクリートジャングルに飛び出し、食われそれが鳥の卵となっていく。
それはまるで夢を追っている若者たちが住むエリアの労働力は夢が叶っていない若者たちによって賄われているように。
思ったよりカタツムリが面白くてまだ続くかもです。
ここは自然の見え方が変わる場所
世界の見え方が変わる場所
それではまた明日。
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