ちょっぴり怖い話(さきいか)
これは父が亡くなった日に経験した内容です。
これは怖い話ではなく、ほっこりするお話です。
早朝に父が亡くなり、病院から連絡がありました。
妹とタクシーで駆け付け、葬儀屋さんに連絡をして寝台車を手配しました。
夏だったため、葬儀場の冷蔵の保管庫に父を安置してもらいました。
その後に葬儀屋さんと、お寺に電話をして葬儀の日程を決めました。
帰宅して、妹と一緒に父の部屋に入りました。納棺の際に棺に入れるものを選ぶためです。
部屋に入った瞬間です。さきいかの匂いが強く漂いました。
あれっ、さきいかの匂いがしてるよね。
妹もその匂いを感じていました。
生前、心臓が悪かったため、塩分を控えるようにと医師から指示が出ていました。
妹が食事を管理していたため、父はさきいかなどは食べさせてもらえませんでした。
たまに父から、妹に見つからないようにさきいかを買ってきてくれないかと、何度か頼まれました。それくらいさきいかが好きだったようです。
父は亡くなってから部屋に戻ってきて、好きだったさきいかを食べていたのかもしれません。