堤カズユキ

文章を書くのが好きです。怖い話、怪談が好きです。 身近に起きた怖い話を書いてみようと思…

堤カズユキ

文章を書くのが好きです。怖い話、怪談が好きです。 身近に起きた怖い話を書いてみようと思います。 2022年8月17日(水)に、NHK総合のテレビ番組『ホラー短歌の世界へようこそ』で、ぼくが書いた『コインランドリー』が映像化され、放送されました。

最近の記事

ちょっぴり怖い話(同窓会の参加者)

数年ぶりに中学校の同窓会が開催されました。 場所は、中学校の近くの居酒屋さんの、2階の広いお座敷でした。 参加者は30名くらい。思ったより参加者がいたなと感じました。 ぼくは、当時仲の良かった同級生の隣に座り、当たり障りのない会話をしました。 その同級生が他の席に移動してしまい、会話する相手がいなくなってしまいました。 誰が参加しているのだろうと、参加者の顔を順番に見ていきました。 もう20年以上が経過しています。 参加者の顔を見ても、誰なのかわからない人がほとんど

    • ちょっぴり怖い話(レストランのスタッフ)

      職場の知人女性がレストランに行ったときに体験したお話です。 都内にあるスペイン料理のレストランに、友人と4人で行きました。 飲み物や料理を注文し、談笑しながらおいしくいただいていました。 そのレストランは客席が縦に長い造りで、奥がL字に曲がっていました。 一番奥の席だったため、スタッフがいるのかどうか見えません。 飲み物がなくなってきたので追加で注文しようと「すみません!」と少し大きめな声でスタッフを呼びました。 反応がなかったため、再度「すみませ~ん!」と声を出し

      • ちょっぴり怖い話(チャットのメッセージ)

        これは、数年前のゴールデンウィークに経験した話です。 その頃に勤めていた会社は、ゴールデンウィークに会社としての休日はなく、各社員が好きに有給休暇を取得していました。 ぼくは特に予定もなかったため、カレンダー通りに出社していました。 連休の谷間の、数日の出社の最終日の夕方に、同じプロジェクトに参加している同僚から、チャットのメッセージが届きました。 「休み明けのミーティングに出られなくなりました。申し訳ありませんが対応をお願いします」 確か同僚は長期の休暇を取得し、

        • ちょっぴり怖い話(リフォームしたマンションの部屋で)

          知り合いの不動産営業の方から聞いた話です。 彼は、不動産会社で営業をしています。 不動産の物件を買い取り、リフォームして販売する。 このような業務を日々担当しているそうです。 なかには、いわゆる事故物件と言われる、室内で亡くなった方のいる物件も取り扱います。 事故物件と知ったうえで物件を買い取り、リフォーム後に事故物件と告知して販売するそうです。 これは、ある事故物件を扱ったときのお話です。 内装を完全にリフォームし、翌週には売り主に引き渡し予定となっていました。

        ちょっぴり怖い話(同窓会の参加者)

          ちょっぴり怖い話(駅のホームにいる人)

          これは、一緒に仕事をしたことのある男性から聞いた話です。 彼は、体調にもよるらしいのですが、ときどき見えてしまうそうです。 それはある夏の日に、駅のホームで地下鉄を待っているときに、見えてしまいました。 その駅は、普通電車と快速電車が同じホームを共用していました。 彼はホームで電車の到着を待っていました。 快速電車の通過を知らせるアナウンスがありました。 ホームには転落防止のゲートがあるので、彼は安心して立っていました。 すると後方から、「うわーーーー」という男性の

          ちょっぴり怖い話(駅のホームにいる人)

          ちょっぴり怖い話(車椅子の音)

          これは職場の友人が体験した話です。 彼は毎週土曜日に、住まいの近くにある福祉作業所へ、ボランティアとして通っていました。 ある土曜日の夜、自宅でくつろいでいて、スマホがないことに気づきました。 きっと作業所に忘れてきたのでしょう。 作業所の鍵は持っていたので、彼はスマホを取りに行きました。 夜の10時過ぎ。もちろん作業所には誰もいません。 誰もいない建物は気持ち悪いものです。 この日に受け持った部屋に入ると、棚の上にスマホが置いてありました。 スマホを手に取ると、部

          ちょっぴり怖い話(車椅子の音)

          ちょっぴり怖い話(喫茶店にいた)

          法事の際に、お世話になっているお寺の住職から聞いた話です。 その住職は、実家が静岡にあり、その実家もお寺だそうです。 今は、都内のお寺で働いています。 その住職のお父さんが亡くなったそうで、実家に帰省しました。 お父さんとはあまり仲が良くなくて、この数年会うことはありませんでした。 実家近くの駅を出て、歩いているとご近所さんと偶然すれ違いました。 「なんだ、帰ってきてたんだ。お父さんは駅前の喫茶店にいたよ」 「え、今ですか?」 「そうだよ。XXXの窓際の席に座って

          ちょっぴり怖い話(喫茶店にいた)

          ちょっぴり怖い話(行進)

          これは同じ職場の友人から聞いた話です。 彼は、都心から快速電車で1時間弱の駅に住んでいました。 駅の近くには小さな商店街がありましたが、商店の多くは廃業していて、いわゆるシャッター商店街になっていました。 彼が住んでいたのは、その駅から10分ほど歩いた、大きな国道に面した場所に建つマンションでした。 仕事で遅くなったとき、人通りがまったくなくなったシャッター商店街をひとりで歩きます。 もとは商店街でした。 人がたくさんいるイメージを想起させる街並みに、人がまったくいない

          ちょっぴり怖い話(行進)

          ちょっぴり怖い話(公園で遊ぶ子ども)

          これは知人から聞いた話です。 彼は、住宅街にあるマンションの1階に住んでいました。 金網のフェンスを境にして、小さな公園がありました。 土日には、公園で遊ぶ子どもたちの笑い声がよく聞こえてきます。 ある夜、深夜に目が覚めました。 時計を見ると0時を過ぎています。 カーテンを閉めた窓越しに、子どもたちの笑い声が聞こえていました。 こんな時刻に公園で遊ぶ子どもがいるのか? そう思いながらカーテンを少し開けると、数人の子どもたちが公園を走り回っていました。 しかもその

          ちょっぴり怖い話(公園で遊ぶ子ども)

          ちょっぴり怖い話(海外で購入した絵画)

          これは、新宿三丁目のバーで働いている男性スタッフから聞いた話です。 そのバーは、築年数の建っている雑居ビルの地下にありました。 地下には何店舗かテナントが入っていて、ほとんどが飲食店でした。 営業中に、隣の店舗の女性スタッフが勢いよく扉を開けて、入ってきたそうです。 「店内がおかしいので見てほしいんだけど!」 男性スタッフに霊感があることを、その女性スタッフは知っていたのです。 男性スタッフは、店にいたお客さんに断りを入れて、隣の店舗の様子を見に行きました。 バーの

          ちょっぴり怖い話(海外で購入した絵画)

          ちょっぴり怖い話(マンションに浮かぶ女性)

          これは、お盆に実家に帰ったときに聞いた話です。 いつの頃からか隣のマンションに女性が浮かんでいるという噂を、母が聞いたというのです。 そのマンションの3階のルーフバルコニーの部分に、ワンピース姿の若い女性が、直立した状態で浮かんでいるそうです。 母が実際に見たわけではありませんが、近所の人たちが目撃したというのです。 気になってしまい、深夜にそのマンションのルーフバルコニーを、2階の部屋から見てみました。 外から気づかれないように、部屋の照明を暗くして、カーテンの隙間か

          ちょっぴり怖い話(マンションに浮かぶ女性)

          ちょっぴり怖い話(交差点から見えるエレベーター)

          駅に向かう道。 いつも通る交差点の角に、古びたビルがありました。 そのビルのエレベーターは、通りから内部が見える造りになっていました。 信号待ちしていると、上下しているそのエレベーターに何気なく視線が行きます。 早い時間帯には、人が乗った状態でエレベーターが上下しています。 仕事帰りの夕方には、誰も乗っていないのに、そのエレベーターはひっきりなしに上下していました。 人が乗っていないのに上下することがあるのかと、不思議に感じていました。 ある夜、仕事で帰りが遅くな

          ちょっぴり怖い話(交差点から見えるエレベーター)

          ちょっぴり怖い話(結婚披露宴)

          職場の先輩から聞いた話です。 先輩は、離婚した奥さんとの間に娘さんがいました。 その娘さんが結婚することになりました。 結婚式の1ヶ月前ころ、娘さんのおじいちゃん、先輩の義理のお義父さんの体調が悪くなり、救急車で搬送されました。 大きな病院で治療が進められたのですが、残念なことに、お義父さんは亡くなられてしまいました。 先輩は、離婚した奥さんから結婚式を延期するかの相談を受けたそうですが、お義父さんも楽しみにしていたことだし、予定通りに実施するのが良いのではないかとア

          ちょっぴり怖い話(結婚披露宴)

          ちょっぴり怖い話(霊安室でいたずら)

          これは、知人女性から聞いた話です。 知人女性が高校生の頃の話です。 彼女には大学生のお兄さんがいました。 そのお兄さんが実際に体験した話だそうです。 夏休みのある夜、お兄さんのところに友人が3人遊びに来ていたそうです。 どういう経緯かわかりませんが、廃病院に肝試しに行くことになりました。 妹である知人女性も誘われたそうですが、怖いので頑なに断ったそうです。 お兄さんは3人の友人と一緒に、友人が乗ってきたクルマで、自宅から1時間ほどの場所にある廃病院に向かいました。

          ちょっぴり怖い話(霊安室でいたずら)

          ちょっぴり怖い話(駐輪場のおばあさん)

          これは、友人から聞いたお話です。 数年前に彼は勤務先が変わり、住んでいたマンションを引っ越しました。 新しい住まいは新築のマンションでした。 住み始めて数ヶ月経過した頃に、不思議な現象を目撃したそうです。 マンションの脇の通路から裏手に回ると、駐輪場があります。 その駐輪場に、おばあさんの幽霊が出るというのです。 彼も何度か、駐輪場の真ん中にしゃがみこんで、何かをしているおばあさんの姿を目撃したそうです。 盛り塩が置かれたり、近くの神社の御札が貼られたのですが、効果

          ちょっぴり怖い話(駐輪場のおばあさん)

          ちょっぴり怖い話(2階から聞こえる足音)

          行きつけの飲食店のスタッフさんから聞いた話です。 スタッフさんの弟さんが、お子さんが産まれるタイミングで家を買いました。 都心から離れた郊外ですが、新築の一戸建てです。 小さいけれども庭があり、子供が歩けるようになったら遊ぶスペースにもなります。 とても気に入って購入したそうです。 引っ越してから半年が過ぎた頃、1階の居間で過ごしていると、2階から音が聞こえるようになりました。 最初はネズミか何かがいるのかなと思いましたが、よく聞いてみると、人が歩いている足音に聞こえまし

          ちょっぴり怖い話(2階から聞こえる足音)