ちょっぴり怖い話(は~い、という返事)

この話は、警備員として働いている知人から聞かせてもらいました。

品川区にある大きなビルで、彼は働いていました。
オフィスビルの深夜の警備のお仕事だそうです。

夜の11時に担当するオフィスビルに出社します。
警備員の制服に着替えて、警備員の詰め所に入ります。
朝までの間に、何度かビル内を巡回して問題が発生していないか確認をします。

大きなオフィスビルです。
企業の従業員は、終電までにみなさん退社されるそうです。

そして、終電が終わった時刻から彼の業務が始まります。

朝までの時間に数回、執務室や階段室を巡回します。

まずは、警備員が利用可能なエレベーターで、最上階まであがります。
そこから、各フロアの執務室を覗き、異常がないか確認しながら地下の詰め所まで戻ってきます。

巡回中の移動には階段を使用します。
大きなビルなので、階段室に入るには、重い防火扉を開けなければなりません。

このビルの警備のルールとして、執務室や階段室に入るときに、
「誰もいませんね!」と声に出して確認します。

ある夜、彼が階段室に入る際に、「誰もいませんね!」と声をかけると、女性の声で「は~い」と返事が聞こえたそうです。

ドキッとしましたが、巡回を中断するわけにもいきません。
彼はもう一度「誰もいませんね!」と声をかけました。

すると、返事はありませんでした。
恐る恐る彼は階段で移動しました。

その後、朝までの巡回には何の問題も発生しなかったそうです。

彼が聞いた女性の声は、聞き間違いだったのでしょうか。

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