ちょっぴり怖い話(オートロックを通過するもの)
知人が新聞配達のアルバイトをしていたときに体験したお話です。
彼は午前2時に販売店に出勤します。
そこで配達する新聞の用意をして、午後3時頃から電動自転車で配達を始めます。
彼が担当しているエリアには、マンションが多くありました。
オートロックのマンションの多くは、玄関の脇に各戸の郵便受けがありました。
その中に、玄関が薄暗いマンションがあり、以前から気味が悪いと思っていました。
ある朝、そのマンションの郵便受けに新聞を次々と投入していたときのことです。
彼に突然、ひどい耳鳴りが起きました。
今までに耳鳴りを感じたことは一度もなかったのにです。
それと同時に、玄関脇の上方に設置されたモニターが、砂嵐の状態になるのが見えました。
そのモニターは通常時には、防犯のために玄関の状況が投影されているのです。
何が起きているのかと混乱していると、その後すぐに、オートロックの自動ドアが開きました。
しかし誰の姿もありません。
彼が立ちすくんでいると、すぐ横を目には見えない何かが通り過ぎていくのを感じました。
なぜ感じたのかというと、冷気のかたまりようなものが横を通っていくのを感じたからです。とても冷たい空気が流れていったそうです。
彼は怖かったのですが身動きできませんでした。
すべてが過ぎ去ってしまうまで、じっと動かずにいたそうです。
その後、耳鳴りもなくなり、モニターも通常の状態に戻ったそうです。
いったい何がそこを通ったのでしょう?