ちょっぴり怖い話(誰の手? 地下鉄)
これは、職場の後輩からきいた話です。
彼は、自宅から職場まで、地下鉄で通勤しています。
地下鉄に乗車している時間は約20分。
ピークの時間帯でも、それほどぎゅうぎゅうにはなりません。
ですが、座れるほど空いている訳でもなく、彼はたいてい立っていました。
スマホのゲームが好きで、通勤時間にはいつもゲームをしています。
左手で吊り革につかまり、右手でスマホを操作しています。
ある時、地下鉄がガタンと揺れた際に、吊り革につかまっている彼の左手を、誰かの手がつかみました。
そしてその手はすぐに放されました。
きっと隣に立っていた人が、急な揺れでよろけそうになり、彼の手をつかんでしまったのだろうと思いました。
そして、スマホから目線を左に送ると、そこには誰も立っていませんでした。
確かに左手の甲の部分をつかまれた感触がありました。
ひんやりとしてほっそりした女性の手のように感じました。
いったい誰がつかんだのでしょう。