ちょっぴり怖い話(リフォームしたマンションの部屋で)
知り合いの不動産営業の方から聞いた話です。
彼は、不動産会社で営業をしています。
不動産の物件を買い取り、リフォームして販売する。
このような業務を日々担当しているそうです。
なかには、いわゆる事故物件と言われる、室内で亡くなった方のいる物件も取り扱います。
事故物件と知ったうえで物件を買い取り、リフォーム後に事故物件と告知して販売するそうです。
これは、ある事故物件を扱ったときのお話です。
内装を完全にリフォームし、翌週には売り主に引き渡し予定となっていました。
部屋の最終チェックのために、その日は夜の8時過ぎに部屋に入りました。
インターフォンのチェックをしていると、背後から「ギィィィーーーー」という音が聞こえてきました。
振り返ってもそこは壁で、音が出るものは何もありませんでした。
気のせいかな。
そう思い作業をしていると、再度「ギィィィーーーー」という音が聞こえました。
壁まわりを確認しましたが、音の発生源は見つかりませんでした。
事故物件ということもあり気になったため、リフォーム前の古い図面を出して確認しました。
古い図面上では、音がした部分はクローゼットでした。
そうです。図面を見て思い出しました。
事故物件の要因となったのは、クローゼットのハンガー掛けにロープを結わえて、家主さんが自らの命を絶ったからでした。
聞こえてきた音は、ロープが重みできしむ音のようでした。
怖くなり、作業を早々に切り上げて部屋をあとにしました。
数日後、その物件は、無事に買い主さんに引き渡されたそうです。