「エイリアンズ」
数年前、「LINEMOBILE」のCMでのんの歌声が流れました。何やら鋭いのに尖ってなく、透明で少しヒヤッとしたものが自分の肋骨をすり抜けて飛び込んできたような気がしたのを覚えています。
曲はキリンジの『エイリアンズ』。
月明かりの差し込む部屋で、まんじりともせず佇むふたり。バイパスの向こうからスポーツカーのミスファイヤ―が聞こえてくる。世俗から離れて夜を過ごす自分たちを「異邦人たち(エイリアンズ)」だと言い、葛藤しつつも互いへの想いを深めていく。キスという魔法で無いものねだりを解かしながら。
諦観と切なさに溢れた歌詞は、堀込兄弟の歌声に乗って聴く人をそっと包んでくれます。
一方でのんの歌唱には、真っ直ぐに伸びる意志と性を超越した透明感を感じました。そんな彼女の魅力が空気の振動と共に染み入ってきた。耳にした瞬間に私はそれを実感したのでしょう。
何かに躓いて自信を無くしそうになったときはのんの歌声を、そして寂しくてたまらない夜にはキリンジを聴いてみてください。ありのままの自分でいることの大切さや、相手を想うことの崇高さを思い出させてくれるはずです。
◇のん「エイリアンズ」はココから
◆キリンジ「エイリアンズ」はココから