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はじめての歌舞伎
歌舞伎を観に行ったことがないのですが、初めて観に行く人へアドバイスって何かありますか?
と、生徒さんから時々質問を頂きます。
ドキドキの歌舞伎デビューに備えて
決して歌舞伎マスターではありませんが、何回か歌舞伎を観に行った経験から生徒さんにいくつかアドバイスをしていますので、今月はそのことをシェアしていこうと思います。
アドバイス①あらすじを事前に調べる
初めて観に行くなら「演目」がとても重要だなぁと思っています。
事前にあらすじを調べて、面白そうだなぁと思う演目のチケットを購入してみる。お話しの流れをつかんでおくのも楽しむためのコツです。映画を観にいく時だって、自分が観たいなと思うストーリーだから観に行くんですよね。(演者さん目当ての場合もあるけどね)
歌舞伎にも、コメディーもあれば、感動ものやホラーもあるんですよ。
アドバイス②わかりやすい演目を選ぶ
若手の役者さんが配役される《浅草新春歌舞伎》と、真夏に歌舞伎座で行なわれる《八月納涼歌舞伎》は演目もわかりやすい物が多いイメージです。
◉浅草公会堂 浅草新春歌舞伎
若手歌舞伎役者の登竜門になっていて、新春のおめでたさと、浅草という気負わない下町感、若手役者さんを応援しているあたたかい雰囲気がある気がして、初心者さんも気軽に行ける気がします(当社比)。 浅草散策も楽しいですしね。
◉歌舞伎座 八月納涼歌舞伎
いつもは昼の部と夜の部の2つですが、8月は1部2部3部の3つにわかれるため、一つの部が短めの時間になりますので気軽に楽しむことができます。浴衣で観に来ている方もいらっしゃるので着物が着られない方でも浴衣で気軽に。
歌舞伎は座席指定事前チケット購入制です。部ごとに演目が異なり、どの部を観に行くか決めてからチケットを購入します。(座席に空きがある場合は現地で当日販売分もありますが、事前購入をお勧めします。)
チケット購入はここから(チケットWeb松竹)
アドバイス③着ていくもの
どんな着物を着ていけばいいの?
基本なんでも大丈夫です。普段着物の方も訪問着の方も両方いらっしゃいます。もちろんお洋服の方も。襲名披露公演だからお祝いの気持ちを込めて訪問着で行こうかな。とか、気負わずラクに紬で行こうかな。とか。
夏は浴衣の方もいらっしゃいます。ここ数年は銀座の街自体が"浴衣でお出かけ"を歓迎していますので安心してお出かけしてください。浴衣だとカジュアルすぎないかな?と心配になる方は、半衿つけて足袋を履かれると少しきちんと感がでますので、夏着物をお持ちでない場合はそんな感じのコーディネートはいかがでしょう?
また、演目にちなんだコーディネートをするのも楽しいですよ。
歌舞伎は役柄毎に衣装が決まっています。勧進帳の弁慶さんだったら黒い水衣(上着みたいなやつ)に梵天(白くて丸いかわいいポンポンみたいなやつ)を身につけているので、暗い色目のお着物に白い水玉柄の帯を合わせてみるとか、江戸小紋の大小霰を着てみるとか。
助六由縁江戸桜の助六さんは頭に紫色の鉢巻をしているので、紫色の帯揚げや帯締めをしてみるとか。
自己満足ではありますが、とっても楽しいですよ!
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アドバイス④幕間にお弁当を食べる
歌舞伎座に着いたらお弁当を購入してみよう!
みなさんご存知の「幕の内弁当」という名前は、演目と演目の間の休憩時間(幕間)に食べるお弁当に由来しています。
お芝居自体長いですし休憩時間を利用して、通ぶって(笑)お弁当を食べてみよう。
ちなみに、のり巻きとお稲荷さんの「助六寿司」も歌舞伎の演目が由来になっているのをご存知ですか?演目「助六由縁江戸桜」に主人公助六さんと恋仲の花魁揚巻(あげまき)さんという方が出てきます。揚巻さんの名前から、あげ寿司のお稲荷さんと巻き寿司ののり巻きがセットになったものを助六寿司というようになったそうです。
普段食べているお弁当の由来が歌舞伎から来ているなんて、なんだか歌舞伎が身近に感じますよね!
ぜひ歌舞伎デビュー、気軽に楽しんでください。