松本和将

ピアニストやってます。

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最近の記事

ブラームスチェロソナタ第1番の仄暗さ(どん底の暗さ?)は一体どこから来るのか

備忘録も兼ねて。 今日のブラームスチェロソナタ第1番は1862〜65年にかけて作曲。ブラームス29歳から32歳の時。若い!! チェロソナタは第2番ははつらつとしているのに第1番はとにかく暗くて渋い。若い頃に書いたのになぜなんだろうとずっと思っていたのだけれど、そりゃあそうだ、この時期には傑作「ドイツレクイエム」を書いているのだから。それと同じ種類の暗さやそこから生まれる救いへの願いや希望といったものが込められていたとしても全く不思議ではない。ブラームスは母親を1865年2月に

    • ジャケット写真〜NEW ALBUM「夜のガスパール」

      ジャケットとブックレットをチラ見せ!デザイナーさん(兼カメラマンさん)のセンスと情熱の塊です。 今回はデザイナーさんとものすごくたくさんの対話を重ねてこのジャケットのコンセプトにたどり着きました。 デザイナーの山西さんは僕のデビューアルバムをデザインして下さった方で、もう20年以上の付き合いになるわけです。オフィシャルHPも写真も撮ってもらったし(そろそろリニューアルしなきゃ💦)、上里はな子・松本和将デュオのアルバムの写真・デザインもお願いしました。 付き合いが長い

      • 愛知カンマームジークアカデミー無事終了!

        ずいぶんあったかくなってやっと春らしくなってきましたね。 先日第1回愛知カンマームジークアカデミーが無事終りました。といってももう10日近く前のことですがf^_^;。その直後からヴァイオリニストの長尾春花ちゃんとのデュオの準備と(シューベルトの幻想曲死ぬほど難しかったー)確定申告の書類作りでアップアップしていたので、振り返る暇が全くありませんでした。 今までの呉は講師として呼ばれる立場で全部事務局がお膳立てをしてくれていたので、毎回忙しいながらも大船に乗った気分でした。今回

        • 角野裕先生退任記念コンサート

          2年越しでようやく 実現した角野裕先生の退任記念コンサート。 先生渾身の編曲のブラームス交響曲第1番を演奏させていただきました。 ここでもひたすら「難しい、難しい」とボヤいてましたが………難しかった^^;。 ブラームスが書き、角野先生がピアノの音にこめた本当に素敵な音の数々を全て的確に死ぬほど悔しかったし、土下座をしたいくらい申し訳なかったのだけれど、 でもこの交響曲のスケールの大きさ、愛情や憧れの深さ、諦観の美しさ、そしてそれら全てを1台のピアノで一人で表すことの凄まじさな

          楽譜が大事?音楽が大事?

          昨日の夜中に勢いのままに書いたツイートをまとめてみました。 ショパコン以降楽譜に忠実であると言う事はどのくらい重要なのかと言う議論がすごくされてますね。いいことだ。 個人的に思う結論としては、楽譜をちゃんと読み込む事は100%大事だと思います。そして「音楽的であること」それよりもさらに大事だと思います。 (ここでプリモコンクールhttps://primoart.jp/primo-art-competition-1st/のことをリツイートして) コンクールの弊害(もちろん

          楽譜が大事?音楽が大事?

          あけましておめでとうございます

          みなさんあけましておめでとうございます。今更感がありますが、まだ松の内なのでギリギリセーフ。 2020年はコロナでずいぶん沈んでしまった年になりましたが、昨年はいろんな方の支えあってコンサート活動もほぼほぼ普段通りにまで戻り以前と変わらずの忙しく充実した日々を過ごしました。2年ぶりに東京・岡山・浜松で「松本和将の世界音楽遺産」も開催できましたし、信頼できる仲間とともに室内楽をする機会もたくさんありました。やはりこうでないと。 また、コロナを機にレッスンにも本腰を入れるようにな

          あけましておめでとうございます

          松本和将の世界音楽遺産終演!

          昨日の「松本和将の世界音楽遺産」に来てくださった皆さん、配信を聞いて下さった皆さん、ありがとうございました。コロナ禍にも関わらずたくさんの方が来てくださり嬉しかったです。1曲目の悲愴を弾き終え拍手を頂きながらお辞儀をした時、何とも言えないじんわりと幸せな感覚に包まれました。 久々の浜離宮朝日ホールはとても感慨深く、またホロヴィッツピアノはfの轟音もpの美しさも比類なく、限りないインスピレーションを与えてくれました。 特に熱情で「さて、次はどんな緊張感を組み立てようか」とピア

          松本和将の世界音楽遺産終演!

          プリモカルテット ×松本和将

          昨日はプリモカルテットとのシューマン&ブラームスピアノ五重奏曲でした。もう暗譜で弾けそうなほど今まで何度も何度も演奏してきた曲ですが、リハではそれを一度根本からバラして考え直す作業をみんなでやりました。決して楽な作業ではないけれど、共演者の新鮮な考え方と素晴らしい音に触れて、自分の考えの凝り固まっていたところ、なんとなく弾けてるような気になっていたところ、若い頃の悪い癖が残ってしまっていたところなどが発見できて、自分にとっても新たな世界が少し見えました。 ゲネプロまではまだ探

          プリモカルテット ×松本和将

          ピアニストのある夜の物語

          一昨日のことです。朝からぶっ続けで働いてくたくたになりながら駐車場に向かった夜10時半。寝不足だから早く帰って寝ようとエンジンのキーをひねると、「カチッ」って音だけ。あとはうんともすんとも言わない。いやーな予感がしてライトのスイッチを触ると、ONになってる。やってしまった。 それから保険屋さんのロードサービスに電話して救助を求める。到着予定時刻は11時半!譜読みとかなんとかとかやる事はたくさんあるから車の中で暖房をかけて待っとくか、なんて思ったけどエンジンがかからないんじゃな

          ピアニストのある夜の物語

          ピティナ特級を審査して

          今さらですが… 21日はピティナ特級ファイナルの審査をしてきました。 実は僕は1次から動画やライブ配信でおそらくほとんどのコンテスタントを聞いていたのですが、今年の特級は本当にレベルが高かった。 その中でもファイナルに進んだ森本隼太君と谷昴登君の才能と能力はずば抜けていました。2人とも国際コンクール級の才能ですね。だけどこのままでは国際コンクールでは通用しないこともまた事実です。2人とも(恐らく全く違う理由で)自分だけの世界に入り込んで突っ走ってしまうことが多々あり、その

          ピティナ特級を審査して

          生徒の塩崎君がG級でベスト賞を頂きました!

          生徒の塩崎基央君がピティナG級でベスト賞をいただきました。門下生になってから2年ほど。撒き続けた種がようやく芽を出し始めました。 僕はとりあえず曲を形にするだけのレッスンというのはやらない主義で(というか根本的なことが気になってそもそも出来ない)、根っこの根っこまで遡って考えるので成果が出るまで時間がかかるんです。塩崎君は「なんとなくこんな感じ」という話が苦手なのでさらに輪をかけて時間がかかります(笑)。 例えば「ここの部分はもっと広い音楽にしよう」と言った場合(それがどん

          生徒の塩崎君がG級でベスト賞を頂きました!

          ピアニスト松本和将のオンラインサロンの入会方法

          みなさんこんにちは。 ピアニストの松本和将です。 この度念願のオンラインサロンを立ち上げました。 松本和将のコンサートや講座がなんと、まるまる聞けます。 例えば、毎年東京文化会館で行なっている「松本和将の世界音楽遺産」シリーズはすでに第2回〜第4回がアップされていますし、カフェ・モンタージュやプリモ芸術工房、その他のリサイタルも映像があるものは順次アップしていく予定です。 また過去の音源も少しずつアップしていきます。 講座はまだ昨年8月にカワイ名古屋コンサートサロン「ブー

          ピアニスト松本和将のオンラインサロンの入会方法