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【読書ノート】ビジネスパーソンの最重要教養!給料(労働の対価)の仕組みを理解する 

はじめに

最近、木暮太一さんの『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』を再読しました。自分に無い視点が多い本だったので、取り入れられるように自分の言葉で要約をしたので、その記録です。
「自分の価値を高めるために今の仕事で成果を出そう!」と考えていた自分にとって非常に参考になる本でした。
この記事は書籍の中から「労働の価値とは?」だけをまとめるの記事にしています。
そこからどのように活用していくのかは、別の記事にまとめたいと思います。
※思考の整理のため、引用箇所以外はかなり自己流に解釈をしているので、気になった方はぜひ書籍に目を通してみてください。

2種類の給料の決まり方を知る

給料の決まり方は2種類
1.必要経費方式:自分が生活するのに必要なお金(経費)を給料としてもらう
2.利益分け前方式(成果報酬方式):自分の稼ぎ出した利益の一部を給料としてもらう

木暮太一『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』より抜粋

まず、給料に対する思い込みをクリアにすることが重要です。
20代の時は「給料とは、頑張って会社に貢献したことで得られる報酬である!」という思いのもと、とにかくハードワークをして結果を出してきました。
ですが、その結果に違和感を感じていました。
同期のとある人物と2倍以上の結果の差があるにも関わらず、給料は誤差程度しか差がなく、役職も数回分の昇級タイミングの差しか無いことに。
なんなら、一定の役職までは新入社員と比べてもそこまで給料の差が無いことに。
2種類の給料の決まり方を知ることで、その答えの1つを知ることができました。
僕たちの給料は、「必要経費方式」で決まっているからです。
そもそもの給料が安いのも、役職が上がらないと給料が大きく上がらないのも、年齢を経ないと大きく給料が上がらないのも、全然仕事をしていないベテランが給料を多くもらっているのも、この考え方を知ることで納得がいきました。

「必要経費方式」の給料の仕組みを知る

まずは2つの価値を知る

この本がわかりやすい特徴として、モノの価値を説明してくれた上で、労働の価値を説明してくれている点です。
かなり噛み砕きますが、モノを作るためには原材料が必要。モノを作るためにかかった原材料(コスト)の合計が、モノの価値です。
100円のコストをかけて作ったモノは100円の価値があります。
それとは別で、「使用価値」という要素も加わります。
モノを使う人にとって価値があるかどうかという考え方で、100円の価値があるモノでも、100円の価値を感じなければ値下げしなければ売れないですし、100円以上の価値を感じるなら値上げしても売れます。
まず、「モノの価値」という絶対的な価値があり、「使用価値」という相対的な価値によって変動するというのが、モノの値段の決まり方です。
労働の価値(給料)も同じで、「労働の価値」という絶対的基準があって、「使用価値」という相対的な価値で変動が起こります。

労働の価値を理解する

労働の価値を理解するには、2つの構成要素を理解する必要があります。
リセットコストとスキル獲得コストです。(※書籍には無い名前を勝手につけています。)
まずリセットコストですが、今日働いたことによりエネルギー0になった状態を明日100の状態で働けるようにリセット(充填)するために必要なコストです。食事をしたり、睡眠を取ったり、気分を切り替えるための趣味にかかる費用がここに含まれます。
次にスキル獲得コストですが、仕事に必要なスキルを手に入れるためにかかったコストです。資格を取るための費用や大学・専門学校の学費がここに含まれます。

2つのコストの理解

リセットコスト=役職を上げる意味や年功序列制度の意味

僕にとって、このリセットコストを知ることが一番大きな学びになりました。

給料が高い人は多大な責任やプレッシャーで体力や精神力を削られるので、回復のためにより多くの費用がかかる 
時間が貴重なので、移動はタクシーになる 
たくさんの費用がかかるから、給料が高い 決して高い成果を上げているから、高い給料をもらっている訳ではない

木暮太一『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』より抜粋

この説明で役職が上がらないと給料が大きくあがらない理由が理解できました。
これまでは、高い成果を上げることが役職につながっていることが多いので、高い成果を出しているから給料が高いと考えていました。
そうではなく、役職が上がることで責任やプレッシャーが増え、その結果リセットコストが高くなるというのは納得です。
また、リセットコストには家族の有無も含まれるというのも価値観の変わる学びでした。
自分だけ食べれても、家族がまったく食べれないのなら明日も100のエネルギーで働けない。だから家族が増えると給料が増えるし、年齢を重ねると必要な交際も増えるので年功序列で給料が上がる。
今まで疑問に思っていた給料の仕組みが理解できました。

スキル獲得コスト=医者の給料が高い理由

医者の仕事をこなすために膨大な知識を身につけなければならず、そのために長期間準備をしてきた
医者になるまでの準備が大変で、みんながそれを理解しているから給料が高い

木暮太一『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』より抜粋

今までは漠然と医者になるのが難しいから、医者は給料が高いと考えていました。
そうではなく、その仕事に必要なスキルは獲得までに多くのコストが必要で、そのことを多くの人が納得しているから給料が高いという論理です。
だから社会性があって皆が重要だと思っている仕事でも、誰でもできるスキルなら給料が低いし、単純作業やサービス業の給料が安いのはスキル獲得コストが低いからというのはなるほどと思いました。

最後の要素、労働力の使用価値

給料は、労働力の価値+労働力の使用価値で決まり、労働力の価値はリセットコストとスキル獲得コストで構成されています。
100円のモノが80円になったり120円になったりするのが、使用価値という相対的な価値によるのと同様、給料も使用価値という相対的な価値で変動します。

成果を出している人は多くの企業から「需要」される
そのため、需要過多になって値段(給料)が上がる
成果を出しているから給料が上がるのではない
その証拠に、会社に対して2倍の利益をもたらしている人が、2倍の給料をもらっている訳では無い
2倍の利益をもたらしている人は「引く手あまた」なので、需要と供給の関係で給料が上がる

木暮太一『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』より抜粋

ハードワークをして社内で結果を出しても、そうでない人とあまり差がでない理由が納得できました。
そもそもの「リセットコスト」や「スキル獲得コスト」が上がっていないというのもそうですし、自分の出した結果によって他の会社からのスカウトでも無い限り、給料が大きく上がることは無いのです。

まとめ

小暮さんの給料の仕組みについての説明を自分なりに噛み砕いてまとめてみました。
給料を構成する3つの要素を理解することで、どの要素をどのように伸ばすことで給料を上げていこうという戦略がたてられるようになると考えています。
ただ闇雲に結果を出すのではなく、他の会社の重要に繋がり、かつ、社内の役職が上がりやすい結果を出せる仕事にリソースを集中しようなど、なぜ?なんのために?の部分を決定するための思考の補助線にできるのではないでしょうか?
今回まとめた労働力の価値は気づきの多い概念だったので、また別で記事を作って深堀りしていきたいなと思っています。
今回紹介した書籍は、労働の価値以外にも有益な情報が多い書籍なので、気になった方はぜひ目を通してみてください。

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