水分補給について
これから暑い夏がやってくる。チームでも、水筒の量などについて話があり、息子も今まで1リットルだった水筒から、2リットルの水筒を調達し、持たせるようにした。ところが、息子は調子に乗り、内緒で母親に頼んで、水筒の中身を甘いスポーツドリンクにしていた。周りの選手も聞くところによると、スポーツドリンクを飲んでいる人が多いようだ。そこで、今回は、選手にとって切っても切り離せない「水分」についてお話ししたいと思う。
そもそも人間の約60~70%は水でできている。食べ物をとらなくても人間は、一か月程度は生きられるが、水がないと三日も持たない。このことからも分かるように、野球選手はおろか、「人間にとって水は非常に大切なものだ」、と頭ではみんなわかっている。
ところが、水分に対する我々の知識が追い付いていない部分もある。ひと昔前、(私が現役時代は)水分補給に対する考え方が改められてきた、と言われてはいたが、実際に下級生の頃は、堂々と水を飲むことは許される雰囲気ではなかった。ボールを拾いに行くついでにトイレに駆け込み、トイレの水を飲んだこともあった。これは実話である。それくらい、命を守るため、生きるために必死だった。
余談になってしまったが、水分の重要性について、私の知人のひとりは、こんなことを言っている。
体調が悪くてお医者さんに行ったとき、医者が「なんで(医者が患者さんに対して)どれくらいの水分をとっていますか?」と、聞かないのが不思議だ、と。
これは、洗濯にたとえていて、私は非常に腑に落ちた。服が汚れて洗濯するときに、どんなにすごい洗剤を入れても、水が少なかったら、服の汚れは落ちない。これと同じように、いい栄養やサプリなどをいくら摂ったとしても、身体に水分が少ないと、身体が機能しないのだ。
それくらい水分というのは、我々の体調にも深く関与している。
選手の発汗量が増えるのは、練習や試合、トレーニングのときだろう。多量の発汗によって脱水が体重の2%以上になると、集中力の低下、スキルレベルの低下、心拍数や体温の過度な上昇等が起こり、持久的運動能力や認知機能などが低下することが分かっている。
それを防ぐには、水分をこまめにとることが大切だが、ポイントは「チョコチョコ」こまめにとることです。のどが渇いた症状では、すでに脱水状態になっているので、「のどが渇く前に」頻繁にとることを意識しよう。
何を飲むべきか
結論からいうと、基本的な水分補給は、ミネラルウォーターでおこなう。そのことを私が普段から家で言っているので、息子は私に隠れて、こっそり母親にスポーツドリンクを頼んだのだ。スポーツドリンクは口当たりもよく、たくさん飲めるが、糖分が多すぎるため、ミネラルを補給したいなら、経口補水液のほうがおススメだ。夏場の熱中症対策として、経口補水液をとり入れるのはいいと思う。そのうえで、それ以外の季節では、やはりミネラルウォーターをとるようにしたいところだ。
※それでも、スポーツドリンクがよければ、少し薄めたり、量を調整しよう
(決して飲んではいけないということではない)
トレーニングをしない日でも、普段から、体重×40ccを目安に水分をとることをおススメしている。(体重30kgなら、1.2L)そのうえで、水分が十分にとれているかをチェックするのに、「尿の色」を参考にするのもいいだろう。濃い黄色は、脱水の可能性がある。健康的な尿の色は透明から薄い黄色なので、その色になるまでを目安に水分量を調整してみよう。
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