ソーシャルビジネス仕掛け人
ボーダレス・ジャパンを知った経緯
私が田口氏のことを知ったのは、ポッドキャスト「コテンラジオ」に出演されていたことがきっかけである。
そのなかで語られていた言葉に一発で痺れた!
僕たちは「微力」ではあるかもしれないが「無力」ではない
ポーカーフェイスな語り口で冷静な反面、とてつもなくエネルギッシュなパワーを感じた。
話の内容を聞いてますます興味が湧いたことから、インターネットで調べてみる。
すると「TED☓Talks」で以前見たことがある人物だと判明。
かなり前に見た動画だったが記憶に残っている。
自分の人生について考えさせられる内容だったからだ。
人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかにある。 | Kazunari Taguchi | TEDxHimi
twitterから本を出版されているという情報を得て、早速購入し読んでみた。
ちょうど読んでいる最中にこの #読書の秋2021 課題図書であることを知る。
以上のような経緯からこの感想文を書いている。
この時点で私は田口氏のファンだと宣言します!
実にスムーズな流れであった。
余談ですが、私はポッドキャストで聞いた「ハチドリのひとしずく」という物語に感動。妻に話すと共に感動。ハチドリ電力の取組を知り、自宅の電力会社をハチドリ電力に切り替えました。(手続きはとても簡単!)
主な理由は3つ
1・100%自然エネルギー
2・使用電力料金の1%が新たな自然エネルギー発電所をつくる資金になる
3・同じく電気料金に含まれる1%が非営利活動に毎月自動寄付される (支援団体は選択可能)
とてもスピード感のある事業で、現在は「ハチドリソーラー」もスタートしています。
ハチドリ電力
「9割の社会問題はビジネスで解決できる」を読んで学んだこと
この本ではソーシャルビジネスを生み出す仕組みから経営ノウハウ、ボーダレス・グループの歴史や進化の過程を知ることができる。
社会問題を解決するビジネスの作り方など、とても濃厚な内容。
私がこれまで読んできたビジネス書との大きな違いは、利益追求よりもエコロジーファーストであること。
特筆すべきはこれまで儲からないと言われてきたソーシャルビジネスで、巨額の利益を生み出す仕組み作りである。
特に私が感銘を受けた部分はボーダレス・ジャパンの定款前文である。
その美しく洗練された内容に感動を覚えた。
その経営理念に基づいたソーシャルビジネスで社会問題を解決する。
緻密に作り上げられた事業プランから利益を生み出す。
さらにその利益を新たなソーシャルビジネスの創出に活かすという、まったく新しいスタイルであった。
また、ビジネスプランは実験と修正を繰り返すことで進化し続ける。
今後の環境問題で残された時間を考えると、このようなスタイルのビジネスを世界中に広めることが最適解のように思える。
あとは政治的なサポートと体制が整えば、より大きなインパクトを生み出せるはずである。
もちろん田口氏の構想はまだまだ広がりを予感させる。
ソーシャルビジネスを支える経済圏の構築を目標とされていて、世界を巻き込んだ新たなイノベーションを生み出せる人物ではないかと思う。
田口氏の人柄から感じるあたたかさ
この本から感じた田口氏の人柄を述べてみようと思う。
まず、ボーダレス・グループの各社長、社員やビジネスパートナーをはじめ、お客さんまで含めた人々を「仲間」だと語っている。
それは、単に企業側と消費者側という区別ではなく、共に世界をより良い方向へ変えていく仲間だと表現している。
情熱的で人間味のある温和な人柄という印象を受けた。
自分の人生をどう使うのか?という問いに対して、社会問題を解決するという答えを導き出した。
とてつもなく大きく困難な目標に対して、「相手にとって不足なし」と言い放った。
なんとも心強い言葉。人間の器の大きさをうかがわせる。
利己よりも利他の精神で、困っている人を助けたい。
喜んでくれることが自分の喜びである。
そのことに最も価値を見出している。
これまでの既成概念に囚われない発想、行動力、スピード感を持ち合わせたパイオニアだといえる。
著書ではこれまでの失敗談や挫折も赤裸々に語っており、紆余曲折してきた経験から学び取ることができる。
まとめ
本の後半に書かれていた消費者としてどうあるべきか?という視点に新たな発見を見出した。
「ちゃんとした消費者になる」ということ。
消費者のパワーはとてつもなく強い。
消費者の立場から社会づくりをする消費活動(エシカル消費)というもの。
商品やサービスを提示する人も大切だが、受けとる人も大切。
その両方の存在があってはじめて社会は良くなっていく。
社会問題に「無関心」なのでなく、「未認知」なだけ。
問題の実態を知れば消費者の選択肢が変わり、行動が変わる。
とても身近な消費活動から世界を変えることもできることを知った。
この可能性に満ち溢れた一冊の本をより多くの方に読んで頂きたいと思う。
その行動も一つの社会問題解決につながる行動となる。
※その理由は著書の最後にわかります。
きっと「ハチドリのひとしずく」で世界は変わると信じています。
僕たちは「微力」ではあるかもしれないが「無力」ではない
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?