【緊急事態宣】学校の判断が遅い理由と見えないパワーバランス
緊急事態宣言下の学校では生徒や保護者、ときには教員から、なぜ学校を通常通り行うのか。分散登校やオンライン授業をやらないのか。判断が遅いのではないか。という言葉を耳にします。
今日は私立学校の観点から、なぜハッキリとした判断を下さないのか。判断が遅いのか。ということを解説していきたいと思います。
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先に今回のポイントを挙げますが
・近隣の学校と同じ対応をしたい
・保護者からのクレーム
・学校の見えないパワーバランス
この3点について書いていきたいと思います。
時間のない人は、最後にまとめていますので、そちらをお読みください。
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緊急事態宣言下などの不測の事態が起きた際には、各私立学校のトップである学園長や理事長のもと、校長を含めた管理職が様々な決定を下します。
現場では、まず各私立学校では近隣の学校の様子や対応を探るところから始まります。これは校長会のようなオフィシャルな場だけでなく、他校の仲良し教員などからも情報を収集することが多いです。
なぜ、近隣の学校の様子を探るのか。
それは、、、、
各私立学校の校長や管理職が一番心配することが理由にあります。
では、不足の事態が起こった際に私立校が一番心配することは何でしょう。
生徒の安全でしょうか。
生徒の学力保証でしょうか。
どちらも大切なことですが、一番ではありません。
一番大切なことは、、、、
学校の評判を落とさないことです!!!!
緊急事態宣言などの不足の事態が起きた際、
「他校と違うことをしたくない!!!!」
と考えが、各校長や管理職の頭にはあります。
学校では、他校と違う対応をしてしまうと保護者からのクレームが来ることが多々あります。
保護者は自分の都合の良い情報や、自分の都合のいい学校の対応を引き合いに出して、クレーマーと化すのです。
例えば、緊急事態宣下のある地域に5校の高校があったとします。
①:1校だけが休校、残り4校が通常通りに学校を行った場合
①の場合、まず間違いなく「休校にした1校」が、クレーマーの標的になります。想定できるクレームとしては「残りの4校に通う生徒との学力差がついたらどう責任をとるのか。補習はしないのか。」あたりでしょうか。
②:1校だけが通常通りに行い、4校が休校の場合
②の場合も①と同様に、まず間違いなく「通常通りに行った1校」が、クレーマーの標的になります。想定できるクレームとしては「生徒の安全管理が保証できるのか。感染したときの責任はどうとるのか」あたりでしょうか。
ここで頭に入れておきたいことは
「学校の対応が正しいこと」よりも「マイノリティにいないこと」の方が多くの保護者にとっては大切なことである、ということです。
例の状況で、4校の判断が間違っていても悪評にはなりにくいです。難しい判断だったんだな。で終わります。
逆に、1校だけが判断を間違えた場合。即、悪評になり次年度の生徒募集は大ダメージになるでしょう。
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緊急事態宣言下の学校では、他の学校と同じ対応が望ましい。
それは、保護者からのクレームや地域での悪評の回避になるからでした。
では、いったい誰が先陣を切って緊急事態宣言下の学校対応を決めるのでしょうか。
そこには、学校同士の見えないパワーバランスが隠されています。
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私立学校には見えないパワーバランスが存在します。このパワーは公立にも少なからずありますが、私立は公立の比にならないくらい大きな力を持っています。
A校とB校のパワーバランスを決定づけるもの、それは、、、、、、
偏差値です。
もちろん偏差値が高い学校の方が低い学校よりも地域でのパワーがあります。
多くの生徒と保護者は、偏差値の高い学校の対応が一般的であり、正解とみなす傾向が強いです。
ですから、緊急事態宣言下での各高校の横並びの対応を決定づけるのは
「地域で最も偏差値の高い学校の対応」
となります。
(実際は偏差値だけでなく教員の勤務年数やキャリア、学閥なども多分にあるが、本題からずれるので割愛させてもらいます。)
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今日は私立学校の観点から、なぜハッキリとした判断を下さないのか。判断が遅いのか。ということを解説。
ということでしたが、まとめは以下の通りになります。
・近隣の学校と同じ対応をしたい
→ 横一列の対応だと差別化がなく、対応に誤りがあっても悪評が立ちにくい
・保護者からのクレーム
→ 生徒の安全や学力よりも、学校の評判や翌年度の生徒募集を重視
・学校の見えないパワーバランス
→ 偏差値が高い学校の対応を待っている
最後に
今回は、私の経験や教員の友人の話を参考にた内容になります。
私の勤めている学校は違う。通っている学校は違うということもあると思います。
話半分でお願いします。