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「梅の花」から始まる雑文。 #シロクマ文芸部
「梅の花」のお題を得て、今週はお休み? と思ったものの
アプローチを変えれば何とかなるかも・・・と、書いてみます。
私の出身は、主に北海道の東部ですが、子供の頃のイメージとして
花を咲かせる木々に実が生るかどうかが重大要素でした。
それらは、お店で買うのではなく自分の足で野山で手に・・・否、
口にするのです。
サクランボ。他にも季節ごとにスモモや山葡萄にハタンキョウ。
桑の実やグスベリ、コクワの実・・・それらの甘い実は、野生の中で
いただける貴重なおやつでした。
クルミも甘くはないけど立派なおやつになります。
怪しげに誘う知らない赤い実を食べて、強烈な腹痛に襲われたことも
ありますが、そんな時は錠剤ではなく本物を干した世界一苦い本物の
【 熊の胆 】を ほんの一欠けら、オブラートに包んで水と一緒に呑むと
だいたい治ります。( 悠久の昭和の時代のお話です。)
梅の実には《アミグダリン》という有毒成分が含まれているそうで、野鳥さんたちからも見向きもされない木の実ですが、恐れを知らない貪欲な人間たちに《 梅干し 》として食されているのはご承知の通りです。
さて、年月も長く過ぎた令和の・・・
本日の本題の梅干しですが(そうだっけ?)
私も普通に、一日一個くらいはいただいております。
種は捨てずに決められた食器に入れられ冷蔵庫に保存されます。
毎日一個ですから日を重ねただけ増えていきます・・・
数は不明ですが容器いっぱいに満たされた頃・・・
彼らは別の運命を迎えます。
新聞紙の上などで半日ほど天日に晒された彼らは
回収され処刑場に向かいます。
そこには凶器の金槌が待っています。
処刑台には僅かに布を巻かれたペンチが用いられます。
そこに乗せられた彼らに・・・
凶器の鉄槌が振り下ろされるのです☆
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
青梅にも種にも含まれる【アミグダリン】は、胃腸等で酵素により分解されてシアン化合物(青酸)となるそうで、食べると青酸中毒を起こして死に至る可能性もあるとか? でも、完熟した梅や加工された梅干しなら大丈夫とも言われています。 さて、主役の梅干しの種ですが(だっけ?)
種の中身の《 仁 》は【 天神様 】とも呼ばれています。
『 梅は食うても核食うな。中に天神寝てござる 』とも言われていました。
太宰府天満宮の天神様である菅原道真公のことなのだそうですが・・・
そんなことより重大な真実は私の名前が《 〇仁 》であることです!
運命と言わざるを得ません!!(違!)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
さて、処刑場です(違!!)。
種の中の【仁】の姿をそのまま残すように、絶妙な力加減で打ち下ろされた金槌で殻が割られ、次々と【仁】が取り出されてタッパーに入れられます。
・・・およそ百個でしょうか。
彼らは冷蔵庫に入れられることもなく《 〇仁 》の傍に置かれ
《おやつ》として少しづつ食される運命にあります。
(素朴に美味なのです。)
日本中を探しても・・・同じ試みをなさってる方は少ないと思われますので
《 〇仁 》のある日の作業を記してみました。
梅の花から、やや逸脱した話で失礼しました。
【仁・了】
*サムネの写真は、半分くらいは食した後の《仁》で
適度に水分も抜けて、ほぼナッツ状態のものです(笑)。
*こちらに参加させていただきました。
「梅の花」から始まる小説・詩歌・エッセイ
締切は2/18(日)23:59。