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初めての・・・ #シロクマ文芸部
「初めての」から始まる小説・詩歌・エッセイなど・・・
締切は1/5(日)23:59。
*参加させていただきます。 よろしくお願いします。😊🎍
*初めての・・・
初めての朝は死を迎えた翌日だった。
朝がそう思えた理由は、初めて対面する世界に思えたからだ。
音も匂いも皮膚感覚も…初めての感覚で生まれ変わった気がした。
無条件の心地良さが今の自分を包んでいる・・・
困ったことに、自分が死んだという以外の記憶が
残されていないことだった。男? 女?
自分のことはどう言っていたのだろう? 私? 俺?
性別は・・・男確認。 一人称は品よく《私》に決めた。
殺風景な景色の中に生き物の姿は見えない・・・
さて、私・・・どうする?
こうして生きているのが確かなら・・・
生きる為に必須の水と食料を探さねばなるまい。
それに・・・裸のままでは都合が悪い。
ん? 遠くから誰かがやってくる・・・裸だ。
しかも・・・・・・女?!
見捨てられた死の星に
唯一遺されていた生物の断片が夢を見た。
可動を止めていたシステムが不意に変化を察知し・・・
《初夢》と判断した。
生物の断片が
継続する夢を求めていることを可動エネルギーとして
死の星に命を紡ぐシステムを構築する・・・
男の名をアダム
女の名をイブにしようかと思いつつ、平凡なので・・・
男の名は太郎
女の名を花子とした。
二人の移住地は悠久の先で
やがて日本列島と呼ばれるだろう。
今はただ
始まりの時を刻みつつ・・・・・・
【始】
*このお話はフィクションです。🎍😅