『悠久の時の声』【桜回線】② #毎週ショートショートnote
「幾層にも分岐した時空の片隅に咲く桜を知っているか?」
「桜? それはまた随分古典的な植物がでてきたな?」
「時空探索は俺の趣味だからな。今まで言ったことはなかったが
ついに滅びた惑星に生きる《桜》を見つけた!」
「滅びた惑星に桜だと?あり得ない話だと思うが・・・まさか
見てくるなんて言わないだろうな?」
「まさかのコードネームは『桜回線』だ。もし、俺が消えそうに
なった時にはこの回線から引き戻してくれるか?」
「まぁ、そうするしかないだろうな。
変態の友人を持った宿命として受け入れるよ。」
☆
無数に分岐した地球のほぼ全てに共通した
《死の香り》に抗うように
ここだけは異質の生気に満ちていた。
謎を知るために俺は過去の分岐点から
その星の運命を見届ける・・・
割と命がけだったが ついに到着した。
天を目指すかのようなその桜の巨木は
何万年もの命を誇るかのように・・・
桜色に染まった大地に威厳を放って屹立していた。
俺はただ、悠久の声を聴く・・・・☆
【桜回線】
(410字)
お題は【桜回線】。【魅力的な台詞ではじまるお話】・・・
*続けて参加させていただきます。😊