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『街クジラ』#シロクマ文芸部
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「街クジラだ・・・!」
「あの・・・雲のこと? ほんとだ・・・
街の・・・クジラだね!」
「あの『街クジラ』ってね、街が出来るのと一緒に育ったんだ。
『街クジラ』の中にね、同じ街もあるんだよ。」
「・・・ヒトもいるの?」
「うん。いつも街の《写し鏡》のように一緒に存在している。」
「どうして?・・・いつもは見えないの?」
「はは、、いつもはそんなに注目して欲しくないのかもね?」
「・・・・」
「そして、街が終わる頃には・・・あの『街クジラ』も旅立ちの時だ。」
「どこにいくの?」
「宇宙のどこか・・・宇宙にはそんな『街クジラ』がいっぱい
浮かんでいるんだ。」
「そうなんだね・・・」
「『街クジラ』って《時間の塊(かたまり)》なんだよ。
同じ街にもいくつも生まれている・・・!」
「ふ~~ん・・・」
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「地球って・・・どんな形をしているか知ってる?」
「丸い・・・んでしょ?」
「そう思わされているだけ。本当はね、《クジラ》の形を
してるんだよ。」
「・・・え~~~?」
「地球だけじゃない、お月さまだって火星だって金星だって
いろんなお星さまたちだって・・・あの太陽だって本当は
《クジラ》の形をしているんだ。」
「どうして・・・クジラに見えないの?」
「どうしてだろうね・・・??」
「それとね、宇宙の形だって・・・《クジラ》なんだよ。」
「すごいっ・・・!!」
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「ほら・・・あの黒い雲が哀しさでいっぱいなのがわかる?」
「うん。なんだか・・・わかる気がする。」
「あれも【街クジラ】だよ。
街の人々や動物たちの哀しみを いっぱい溜め込んじゃったみたいだね。
もうすぐ・・・涙を流すよ、ほら・・・!!」
「ほんとだ。 すごい涙雨・・・・?!」
ザァアァーーーーーーーー・・・・・・
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「・・・すごい、《クジラ》がいっぱいいる?!」
「うん。いろんな星の『街クジラ』や他のクジラたちも
いっぱいいるね・・・!! 人間たちには《銀河》のように
見えるんだろうね・・・」
「そうなんだ?」
「次元が幾層にも重なっているから、見えるのは一部だろうけどね。」
「・・・・・・」
「綺麗・・・だね。」
「うん・・・!!」
あんたら・・・誰よ?!!
【笑】
*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。
*二回目ですが、今回も小牧幸助さんの企画に参加させていただきます。
よろしくお願い致します☆