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【デジタルバレンタイン】③ #毎週ショートショートnote


かつて肉体と共に生きてきた人間族は
進化したAIの指示に従い、存在をデジタル化する道を選んだ。
意識の全てが死を迎えることのない世界を手にしたのだ。

肉体で得ていた感覚でさえもデジタルの世界で享受できる。
人間族はデジタルの世界の住人となった。

僅かに種を繋いでいる肉体を持った人間族は
デジタルに移行する条件を満たさねばならない。
条件に満たない異分子は容赦なく排除されて
終生、肉体を持ったままに老い死を迎える宿命を受け入れる。

そんな一族が暮らす街があった。

【デジタルバレンタイン】


街の名はデジタルから阻害された意味でのバレンタインが用いられ
哀れみを込めた贈答品に大量のチョコレートがプレゼントされた。

肉体を愛せよ!!

デジタル化する人間たちからの離反の思いが込められていた。


女はデジタル。男は肉体。そんな恋人だった二人もいた。
別れの最後の日に、恋人だった男に女はチョコレートを渡した。


バレンタインに落ちた一滴の涙に幸あれ・・・!!


【了】

(410字)


*こちらに参加させていただきました。
【デジタルバレンタイン】のお題で、
【SFチックな】ショートショート

#毎週ショートショートnote


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