『腋の薔薇時計』②(裏お題)#毎週ショートショートnote
*スーパーヒーローなのに!
「奴が今回の娯楽ショーの主役か。地球人の末裔だって?」
「最初の歓迎が処刑とはな。同情するしかないが。」
「理不尽な話ね。彼の罪状はこの星に来た事?
哀しい宿命のもとに産まれてきたのね。」
「残忍な観客たちの好奇の眼がどうかしてるぜ!
【死のスロープ】の別名を知ってるか?
【腋の薔薇時計】
だそうだ! その地獄の苦しみの時を薔薇時計が刻むってか?」
「誰の設計だ?
狭いスロープを裸で拘束されたまま滑り落ちる・・・
スロープの両脇にランダムに配置された花弁の刃を持つ
無数の金属の薔薇が容赦なく全身を切り刻む・・・!!
狭まった最終地点に到達する頃には、骨しか残っていない。
・・・地球人に同情するぜ!」
「さぁ、始まるぜ!!」
スロープ最上部の処刑台に立たされた地球人。
絶望の表情のその眼から 哀しみの雫が煌めいて・・・☆
裸のままに拘束されて、全身に油をかけられる・・・
そして、足元が開きスロープに落下☆
観客たちが息を飲んで待っていた瞬間!!
加速度を増しつつスロープを滑り落ちる地球人・・・?
・・・の姿がない?!
「あっ、あれは・・・?!」
観客の一人が空を指さす。 その先には・・・
変身を終えた《スーパーアースマン》が
天に向かって去ってゆく!!
哀しいことに、その星の誰一人として
彼の名を知るものはなかった。
嘆くなアースマン!
きっといつかは・・・幸せの星で!!
【完】
*このお話はフィクションであり、実在の人物、場所、出来事等
既存のスーパーヒーローとは一切の関係がありません。😅
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『秋の空時計』
裏お題が・・・『腋の薔薇時計』でした。
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