『昭和の冬に』りんご箱 #シロクマ文芸部
*昭和の真冬の北海道東部
「りんご箱」と「みかん箱」(共に木製)は昔の北海道の住人にとって【冬越し】に用意すべき必需品と言えるものでした(もちろん中身の林檎と蜜柑が入っていることが前提です。)。さらに、大量に連続して縛られて軒先なので吊るされ適度に干された《秋ダイコン》の風景も懐かしいですが、その大量の漬物も冬越しの準備に欠かせないものでした。同じように【すし】があり、白菜やキャベツと共に適度の大きさに切られた《ホッケ》や《秋アジ》を麹で漬けたものもまた、北海道人に常備な【冬越し】の食べ物なのでした。
かつての北海道人はどこの家庭でも、ある意味【冬眠】するかのような冬越しの準備を要求されていたのです。
ですから、自分の畑を持つほとんどの家庭には【室(ムロ)】があり、ジャガイモ等の様々な食材が貯蔵されてもいました。日々の買い物などとは無縁に近い形で生活していたのです。
世界で温暖化が叫ばれるようになって久しいですが、当時の北海道の寒さは今では想像もできないほど厳しかった気がします。
当方の子供の頃に住んでいた地は、当時の日本最低気温を記録していたこともあり、毎朝マイナス30℃以下が普通で、窓も玄関も白く凍り付いて、お湯をかけないと開けられない状態でしたが・・・それが通常の朝でした。
なので登校時、マイナス24℃くらいだと「今日はあったかいなぁ~」とか
言葉を交わしていたものです。(私が小学一年生当時の話です。)
授業中にも吹雪が激しさを増し、途中下校になることもありました。
地吹雪の壮絶さは、体験したものでなければ分からない程に厳しいものでした。吹き付ける吹雪に視界が《ゼロ》になって眼も開けられません。ですから、子供たちは班に分かれて手を繋いだままで下校することもあったのですが、そんな話もその後は聞かれなくなりました。
今は離れた地ですが、情報として伝わる《温暖化》の言葉をそのまま信じてしまいそうな最近の北海道の気候に・・・移り変わった時代の景色を 感じます。(笑)
*ちなみに当時の貧乏な家庭では、木製の【りんご箱】を勉強机にしている子供もいたことが・・・信じられますか?(笑)
*こちらに参加させていただいてます。
「りんご箱」から始まる小説・詩歌・エッセイ
締切は10/15(日)21:00。 #シロクマ文芸部
↑*この作品、有料設定だったのですが、あまりにも読者の数が少なく、、
今回、note三周年を祝して無料設定に切り換えました。よろしかったら
見ていただけると幸せです。
長編なのでボリュームには自信があります☆(笑)
↓こちらも、やや長編で・・暇つぶしになると思います。