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『街クジラ』③ #シロクマ文芸部

*最後に・・・



街クジラとして長い間 生きてきたが
今回の事態を西からの情報として風に聴いて確信した。 

私の役目も今回が 最期となるだろう・・・

風によれば、西の某国が核ミサイルを連射するらしい。 
私も 私の仲間のクジラもそれを阻止するつもりだ。
私たちはそれらの全てを受け止める。

それによって私も仲間も 今の姿をとどめることは出来ないだろう。
だが後悔はない。私たちは喜んで運命を受け入れるつもりだ。


かつての大戦時、米軍は日本人の意識の崩壊を狙って
『伊勢神宮』をターゲットとして、近隣に集中的に爆撃を加え
被害も甚大となったが・・・
 
当時の私たちには経験不足もあって十分に対処できなかった。
今でも申し訳なく思っている。

唯一、神宮だけは守ろうと必死に立ち向かい・・・
当時の奇跡として、内宮を無傷のままに守ることができた。

 
今の私も 仲間のクジラたちも
当時とは比べられない程の力をつけている。

我々の命を代償にすれば立ち向かえると思う・・・!!


私たちがいなくなっても哀しまないで欲しい。

美しい日本という国の存続が叶えられるなら

喜びだし本望だ。


私たちは消滅する訳じゃない。

別の姿となって
いつかみんなと会える日を楽しみにしてるよ。


じゃ、キミたちの幸運を祈る・・・!!!

キミたち・・・一人ひとりの事を忘れない。

それぞれの小さい願い事だって覚えてるよ。


一緒に生きてくれてありがとう!!!


街クジラと共に生きてきた歴史よ


永遠なれ!!!!!




【守】


*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。

*どうか、どうか・・・こんなことが実際に起きませんように!!


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