六月の夜
つないだ手の先に顔がある。息づかいと体温がゆっくりと、やすらかに、リズムを作る。外から入ってくる空気がほんの少し冷たくて日中の火照った身体をしずめてくれるようだった。
「寝た?」
扉の先から妻が入ってきた。明日の準備とドラマの進み具合をうまく息抜きにしてくれて、そのおかげでぼくも寝かしつけに集中できる。
娘たちがねてくれたらやっとぼくらの時間ができる。まずつないだ手を亀のように静かにぬく。まるで熟練された技のように。
掛け布団の上に手を伸ばせば部屋の中はうっすらと灯りが二つ。妻も僕も無言。カエルのバラバラな鳴き声だけが入ってくる。
休日の予定は何かしらやるべきことがあって。子供たちを見ながらやるか、寝静まってからやるのどちらか。朝早くは一緒に起きてしまう可能性があるからあまり期待できない。
アプリの中に写真を撮りためたものがある。これをハードディスクへ写したい。PCの中の画像も焼いたり。印刷してないからどんどん溜まっていく。動画も。
忘れていくのがうまくなるのにはそれなりに理由がある。年齢は重なれど、容量が劇的に増えることはないし、持っている処理能力のなかで上手くやっていかないといけない。
だからアウトプットが必要で。そのためのツールを使いながら『自分』を軽くしていくことがこれからは必要なんだと、最近気づいた。
今まで自分の『からだとあたま』一つでなんとかしようとしていたことも、知らずのしらずのうちにオーバーヒートしていくものだと分かったから
人生はずっと手探りだ。手探りで疲れないためにも習慣や癖を知るを大事にしていこうと思う。たぶん。ヒントは自分の中にある気がする
今より外と内からながめる時間を増やしたい。ロジカルに考えることを避けてきたけど。もうちょっと許してみてもいいんかもしれん。
白く小さな山が目の前で、ふくらんだり、ちぢんだり。散らかった絵本とおもちゃを踏んでしまわないように棚へもどしながらまたあーでもないこうでもないと思考する夜がつづいていく
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