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多拠点の迷い。複業の限界。

カゼグミの鈴木です。10月8日は、二十四節気のひとつ「寒露/かんろ」だそうで、“空気が冷たく感じられ、冷たい露が野草に付き始める頃“だそうです。今日は涼しいですが、室内ではまだ半袖で十分。子供の頃の記憶と比べても、だいぶ日本の季節の気候も変わってきたなと思うこの頃です。

また、10月8日は、蕎麦の日らしい!

“漢数字の「十」は「そ」とも読めること(例:三十路みそじ)から【そ(10)ば(8)】の語呂合わせにちなんで、東京都麺類生活衛生同業組合が10月8日に記念日を制定しております。”

蕎麦好きだったのに知らなかったよ・・まだまだ知らないことの方が多いですね。ポイントは、東京都の組合が作ったのかというところ。そば処の各地は知っているのだろうか。


さて、本題に戻りまして、今日は「他拠点の迷い。複業の限界。」 について書こうと思います。





茨城・鹿児島、そして横浜


カゼグミを立ち上げてから、茨城と東京(横浜)の2拠点をもう7年ぐらいしています。茨城県水戸市を中心に、近隣自治体の仕事をするため車でグルグル。週の半分は水戸にいます。とはいえ、事業としてはフラッグシップとなる拠点がないので、どこにいるの?何をしているの?という感じに見られている自覚はありました。当時は、コストと移動時間と、イベント・打ち合わせ時間を頭の中でシミュレーションしながら、実家やホテルを転々としてた日々。コロナ禍もあり、やりづらいところは多分にありました。いまとなっては当たり前ですが、コロナ禍が始まったころの、移動や打ち合わせはほんとやりづらかった。

茨城県の関係人口事業をずっとサポートしてきたので、当事者感はあったものの、何か次の成長となるものがほしいな、という観点で2021年から、鹿児島県大崎町で立ち上がった合作株式会社に取締役としてジョインしました(この流れもどこかで触れたい)。合作では、企業版ふるさと納税の仕組みを活用し、大崎町のリサイクル事業を軸に、サーキュラーヴィレッジ構想を支援しています。SDGsの観点でより地域での取り組みに関わりたいなと思ったいたタイミングでもあり、絶好の機会でした。合作のビジネスも、なかなか複雑な仕組みで、2024年から地域おこし協力隊の研修支援もしたりと事業の幅が増えて、わかりづらい会社になっています(笑)。
とまぁ、そこから、茨城、東京、鹿児島の3拠点がはじまったわけです。

いまは、僕の移動がしやすいところと、妻の復職を考え、横浜に住んでいます。


他拠点のメリット・デメリットは何か


3拠点とか、頭バグってますね!と褒め言葉でたまに言われることもありますが、いや生活はほんとバグりますよ。おすすめしないです。いま経営者かつ、事業として地域に関わるディレクター/プロマネの仕事をしているから実現できているわけであって、そもそも2拠点もある程度、自分の職業の状況だけでなく家族の理解や将来性を考えないと絶対無理だなと改めて思います。僕の場合、たまたまというか、フリーランスの流れが続いて今の生活を実現している感じなので、来年から2拠点だ!ではなく、慣らし保育的な自分的時間の使い方をある程度やっていたから今があると思います。

さて、他拠点のメリット・デメリットを簡単に。

メリット
・直接、体感することで自分の言葉が生まれる
・多様な人に出会え、発想が豊かになる
・美味しいものに出会える
・ネタ増えるので、雑談力が増える

デメリット
・移動のお金と時間のコスト
・打ち合わせ時間がはまらず、相手に迷惑をかけやすい
・家族との時間が減る
・他のイベントに行けない
・お土産代がかさむ。もう買わなくていいかなとも思う。

あたりでしょうか。他にもいろいろあるんだろうけど、何を優先するかで変わる気がします。ネットで調べれば大体同じことをやっぱり言っていると思うので、おそらくどんな仕事をしたいのかや、どう地域に関わりたいかで参考意見が変わるのかなと。上記それぞれ分解してお話ししたいところですが、また今度。
僕の場合、茨城は、住民と関わるワークショップが多かったりするので、夜の飲み会や土日のイベントなどにも顔を出すことが多いです。なので、正直、自分が行きたいところは空いた時間を見つけていく感じになります。むしろそれをやりたくて行っているので、多拠点しているといろいろ行けるよねと思われがちですが、意外と同じところしか行っていないんですよね。鹿児島県も大崎町のオフィスがほとんどで、他の町に案外いけていなかったりします。
子どもがいると、移動しづらいってのは確かにそうなんですが、やっている人もいるので、一概に言えないかなーというのが正直なところ。家族で協力して実現している人もいる。まぁでも、ワークショップスタイルのものに参加するときは、大人だけで行って集中したほうが良いケースもあります。

風の人/土の人って言い方があるんですが、その土地に根付いて商売していかないとやっぱり事業は続かないなという自覚を持っています。そう思うと、なぜ他拠点で今仕事をしているんだろうと移動中に特に思うのです。いろいろ知れて楽しそう、風の人だからこそできる編集視点もあるよね、という声もあるのですが、一通り多拠点生活をしていると、この先に何があるのかを結構真剣に考え始めます。いまは何も考えず、目の前にあることを楽しいからしているのですが、本質的にこれは何の時間なのだろう、という迷いが出てくるわけです。さっさと地域に根付いて貢献しろ!と言われたらそうなんですが、いまそうしたくない気持ちもある。けど土の人と呼ばれる確実に地域を支えている人や事業が気になり過ぎている。この気持ちのバランスと自分ができることをいま探っていて、迷いというか自分の問いが生まれている気がします。


複業でもなくどれも本業。


これ、僕の場合ですが、複業進めていた時期もありますが、どれも本業なんだよな、という気持ちで仕事をしています。たぶん複業という言葉にしないと、会社側が整理できないのでそうなっているだけで、やっている人はみんな本業/本気で取り組んでいるはずです。地域に関わりやすくなっていま副業・複業プロジェクトも地域に多くなり、僕もそれを進めてきた人でもあり、よかった点と反省している点もあります。

よかった点は、やりたいと思っている人がやっぱり多くてその流れをつくれたこと。反省している点は、複業推進したけど、僕が関わった地域って何か変わってきているんだっけ?というインパクトや成果の部分。もしかしたら気づいていないだけで変わっているのかもしれないけれど、ここが変わったよなという部分はもっと探求しないといけないと感じています。

複業で地域に関わりやすいが、時間と関わり方に限界があるので、いい企画を生み出してもその先の成果につながりづらい。推進者は結局誰になるのかという話です。地域側はどうぞどんどんやってください!という姿勢になりがちだけど、実質複業者側は、時間的制約・決済制約も多くて、「やりきれない問題」になる。本業という気持ちもあるけど、どこかで関わる時間を一時的にも多くしないと前に進まない。そして、主体的に関わった先に、「本業」と思う自分なりの報酬で地域に関われるのか。ここに一つの壁があると思います。

話は変わりますが、やっぱり地元や好きな地域に関わりたい!と思う人もいま多いですよね。10年前と比べて、かなり制度や民間企業の理解も生まれましたし、関係人口のプロジェクトもあって、関わりやすくなったはずです。とはいえ、「関係人口」という言葉は国や行政が作った言葉。政治や予算が変われば、一瞬で次の概念に移行するのも事実です。人口減少を止める話と、地域経済を回す話しは、イコールではなく、人口が減る中で日本の経済や文化を維持するのか、衰退の考え方に多様性を持たせるのかが大事だと思っています。いまどこもかしこも、「移住」を進めたい自治体。そこをまずやらないと次に行けない内部政治もあるんだろうなと思いつつ、次の5年を見て事業予算をつけてほしいと思うところです。移住でもいいんだけど、自分のまちの課題と、なにをしないとまずいのかを考えてから仕様書にしてほしい。具体的な企画を求められているのはわかるんだけど、せめて、担当者の想いを、同じようにプロポーザルでプレゼンすべきだと思う。
委託なんだからやって、じゃなくて、自分達のまちのことに自分も参加する自治体じゃないと、想いを持って活動している企業はもう協力しないと思う。自治体も選ぶ側じゃなくて、選ばれている側。もちろん、参加する僕らも選ばれる側。選択するための基準と決断力が双方に必要ですよね。
また、お互いが強い推進力を持たないと地域の仕事って全然面白くならないなと感じているので、業務以外でのコミュニケーションもしっかりとらないと、地域に関わる仕事って難しい。テキスト一行の事業名から何を紐解くのか、何を生み出すのか、関わる人が自分ごとで次の一手を生み出そうとする気持ちがいま求められている。毎回自分にいい聞かせられているだろうか。そんな日々を過ごしています。


最初に書きたいと思っていたことが全然書けていなくて、やっぱり書き始めると全然違うことを書き始めてしまうんだなと改めて感じた10月8日。他拠点や今の仕事は話したほうが早いかもしれないけど、書くことで自分の言葉生まれる。今日はそこまでグッとくる言葉が出てこなかったからまた次回。なんだかんだでnote時間かかるな。
つかれた。そうだ、蕎麦食べに行こう。(茨城での蕎麦仲間も募集中!)


2024.10.8 火
Kazegumi takaaki Suzuki(su)
呼吸のように自然なことを。


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