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転んだら、起きあがればいい

久しぶりに山へ走りに出かけた。

山に入ると、木々のざわめきや枯れ葉をふむ音。紅葉狩りのように目で感じる秋もいいけれど、耳で感じる秋もいいなぁと思った。

前半は登り。
ゆったりと景色を眺めながら登ったけれど、じわじわと足にきた。良い坂だなぁ…と思った。急登もなだらかな坂もあり、なまっていた身体にはちょうど良かった。

後半は下り。
足がついていかない自覚はあるので、ゆっくりと走った。だんだんとスピードを出せるようになり、段差も飛べるようになってきた。

楽しい…!

…と思ったら、気がゆるんだらしい。
枯れ葉に足をすべらせ1回。
木の根につまづいてもう1回転んだ。

ただ面白いことに、転んだら転んだでなにかがふっきれた。転びたくない、と無意識に思っていた自分にも気づいた。

転んだら何かが終わるわけでも、失うわけでもない。ただ転んだだけだ。

多少のアザは出来た。けれど数日で治りそうな軽いケガ。案外おそれるほどのコトは起こらないようだ。

一緒に走っていた方々と合流した時。どやっとばかりに両手を掲げ、笑いながら言ってみた。

転びましたー!

どっと笑いが起きて、求めていた笑いが起きたことにほっとしつつ、転んだことに多少の気恥ずかしさを感じながらも。

人を笑わせるネタに出来たことに、なんだか嬉しくなった。