見出し画像

"住む"じゃなくて、"帰る"場所

生まれ育った町、地元。

社会に出たばかりの頃は、10年働いたら戻ろうと思っていた。仕事で得た経験や知見を持ち帰って、生まれ育った町でのんびり暮らそう…と。けれど今の私には、"住む"じゃなくて"帰る"場所になった。

地元は緑が豊かで空気が澄んでいる。星がよく見えるから、私は帰るたびに夜空を見上げる。

そういえば、中学時代は小さい星がいくつ見えるか友人と競って(?)いた。確かオリオン座の中にある星の集まり。当時は身長だったり視力の良し悪しだったり…、今思うとささいなことの勝ち負けで笑いあっていた。

人によっては"何もない"と感じるであろう。けれど、高校まで地元で過ごした私にとっては、そんな目には見えない思い出がたくさんある町だ。

だから、地元は好きだし帰るたびに懐かしさを感じて、どこかほっとする。

ただ、地元を離れて時間が経つにつれて、自分にとって心地よい生活が変わっていった。

心地よい暮らし方が人それぞれ違うように。年齢やその時の働き方や持っている価値観によって、自分の中でも変わっていくようだ。

だからこそ、今はある程度の距離を置く。近すぎると見たくない粗まで見えてしまう。ずっと好きでいたいから、距離を置きたい…そんな場所。