出産後の股関節症
幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子を書いています。
今回は、40代の女性(高校体育教諭)の方の
出産後に起きた骨盤のゆがみと股関節症の症例です。
・来院時の状況:10年ほど前、出産後に左の股関節が痛むようになった。以来、病院に通っており、手術も勧められている。
車の乗り降りの際には、左の太ももを手で持ち上げて動かすほど、痛みと運動障害が起きている。
・問診/検査時の初見:歩行を見ると、お尻や股関節回りが硬く凝っている。身体の重心は、踵(かかと)に寄っていて膝が開き、股関節とお尻の筋肉で骨盤を支えている、いわゆる“がに股”の状態。
妊娠出産を機に痛みが始まっていることから、産後の骨盤周りのゆがみに原因があると思われる。
※ 妊娠出産に伴う姿勢の変化について
妊娠をすると、胎児の成長に合わせ骨盤が開き、出産の準備をしていきます。おなかを支えるために重心は後ろに寄り、股関節は外側に回転する動きをとることで骨盤を開き、つま先が外を向くようになります。
このとき、関節や靭帯は柔軟になって緩みます。
出産後、身体は元の状態に戻ろうとしますが、骨盤や股関節回りの戻りが遅れてしまうと、股関節痛や坐骨神経痛などの症状となることがあります。
・施術の方針:長期間改善しない慢性的な痛みへの怖さがあるようなので、心理的な負担を減らすため、今後の施術で起きる身体の変化などを“症状改善プラン”として伝える。
痛みによって動きを制限されていた関連する筋肉を動かし、股関節周りのバランスを改善する。
・施術:動きの減ってしまっていた筋肉を中心に施術。慢性痛のため、痛みに対する神経の反応が敏感になっている可能性が考えられるので、様子をみながら股関節を少しずつ広げ、歩行に関連する筋肉を動かす。
初回から動作に変化がみられ、歩行が少しずつスムーズに。
その後、定期的に施術を継続するものの、数日で元の状態に戻る繰り返し。
※この症状が繰り返されることは、事前に説明。
長期間動きの減ってしまった筋肉を施術して動かすことで、疲れも出やすいため、疲れた時はゆっくり筋肉を休める、休んでから筋肉を動かすことを心がけていただく。
・施術後の様子:約1年の通院で、車の乗り降りもスムーズに出来るように。「ずっとプールサイドでの監督しか出来なかった体育の授業で、久しぶりにプールに入り、生徒と泳ぐことが出来ました!」と痛みから解放され、充実した日々を送られている、嬉しいご報告があった。
今回の症例のポイントは、“慢性的な痛みを頑張らない”ことです。
出産後は、子育てに追われ、ご自身の身体を労われないことも多いと思います。忙しさから、痛みを我慢し続けてしまうこともあります。
今回の症例のように、長く慢性的な痛みを抱えて生活されていると、痛みへの恐怖や不自由さを感じながらも、「治らないもの」と思ってしまい、なかなか抜け出せなくなってしまうものです。
“痛みは身体からのお知らせ”
お知らせを感じたら、痛みを我慢することを頑張らなくて良いのです。
とはいえ、慢性的な症状を抱えてこられた方が、その痛みに向き合うことは、心身共に労を要します。
「施術のときも痛いのでは?」という不安もあるかと思います。
慢性的な症状の施術は、心身の負担を少なくするため、身体が本来持ち合わせている自然治癒力を引き出す方法で行います。
身体の声を聞きながら、どのように症状を改善することが良いのかを考え、痛みなどストレスの少ない施術しています。
施術中、患者さまには、リラックスすることを頑張っていただいています。
ゆっくりと呼吸をしてリラックスすることが、何より心身に良く、”痛みに向き合う”ということなのです。
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